イキイキと生きる!

縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

愛は何色だろうか?(性格を考える 3/10)

2012-02-29 | 第九章「愛」

 先日、訪れたプラハは、本当に寒かった。デジタルカメラのバッテリーも懐で温めなければ、すぐに放電するほど寒かった。しかし、快晴にも恵まれ、雪で化粧した町は美しく、また、ヴィート大聖堂の中に入ると特にミューシャのステンドグラスは心を洗われるような気がした。

 さて、昨日の続きにもなるが、ロロ・メイの「愛と意志」に愛の西欧の伝統的な考え方(定義といってもいいかもしれない)が4とおり紹介されていた。とても判り易かったので、以下転載してみる。

 西欧の伝統には、四種類の愛がある。その第一は、セックスないし快楽、リビドーと呼ばれるもの。第二はエロスであって、生産ないし創造せんとする愛の衝動ーギリシャ人がのべているように、より高い存在形態およびより高められた関係へ向かおうとする衝動(urge)である。第三のものは、フィリア(philia=愛情)ないし友情であって、兄弟的愛である。第四のものはアガペないしラテン系の人がいうカリタス(caritas)であって、他人の幸福に献身する愛であって、その原型は人間に対する神の愛である。すべて、人間の体験する本格的な愛の様態は、以上四種の愛がいろいろな割り合いに混じり合ったものである。(愛と意志 ロロ・メイ著 小野泰博訳 誠信書房 38ページ)

 なるほどと思うが、日本の伝統の愛とはどうなんだろうかとも思う(古代の日本を勉強しているので興味深々)。それはさておき、この4つの愛の考え方も深いものがある。自分の今まで実感してきた愛を時系列的に成育史的に、この4種類のスペクトラムで考察すると、どうなるだろう?そんなことも考えた。年をとってくるとアガペー・カリタス志向になるのかな?

 自分の中に湧きおこる愛の実感、現象。それは、簡単に塗り分けられるものではないように思う。

 恋は水色という音楽があったが、愛は何色なのだろうか?いろいろ変化するようにも思うし、何か特別なブルーという感じもする。

 ひょっとすると玉虫色なのではないだろうか? 生き甲斐の心理学では、あなたが考える愛が愛と、玉虫色の定義をしているし。

性格を考える 3/10

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「愛と意志」を思索する!(性格を考える 2/10)

2012-02-28 | 第九章「愛」

 U先生の推薦図書で、なかなか読めなかった「愛と意志」(ロロ・メイ著 誠信書房)を読み始めている。1969年の本で随分昔の本ではあるが、なかなか新鮮なのである。

 次の個所など、かなり衝撃的であった。アパティという、無関心や無感動の冷たさと「愛と意志」について語っている次のくだりは、マザーテレサ―の言葉より私には衝撃的だった。

 ・・・

 アパティがとりわけ重要なのは、愛と意志が密接な関係をもっているからである。憎しみは愛の対立物ではない。アパティが愛の対立物である。意志の対立物は優柔不断ではない。優柔不断は実際にはウィリアム・ジェームスの場合のように決断しようと努力している戦の姿を表しているが、意志の対立物は、やはり重大な事象に対してかかわり合いをもたず、離れていて、無関係でいることである。そこでは意志の問題は決して起こってこない。

 ・・・(愛と意志 ロロ・メイ著 小野泰博訳 誠信書房)

 簡単に、少し乱暴にいうと、「愛と無関心」、「意志と無関心」の話題である。

 自分の成育史を考えると、6-7歳から青年期にかけて、このアパティ、無関心が心を占めていたように思えるのだ。ただ、これは個人的な問題もあるが、社会の流れの問題もあるようで、同世代でも学生時代など、「無関心」が話題になり、今でも選挙に対する「無関心」が話題になったりする。

 自分の中のアパティ、無関心への傾向と渇望(ロジャースの4番目の命題)。どんなものなんでしょうかね?

 性格を考える 2/10

 (多摩動物公園のカンガルー、カンガルーらしくないカンガルーを観るの、楽しみです。)

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自分の性格にくよくよしないで!(性格を考える 1/10)

2012-02-27 | 第九章「愛」

 普段はあまり考えない自分の性格であるが、大きな失敗をしたりすると、自分の性格について真剣に考えることがある。

 生き甲斐の心理学を学んだり、世界の有名な性格形成論や病理論を学ばなかった昔は、自分の性格について、時には底なし沼のような不安感を抱いたものだ。そして、若いころなどは自己否定的になったり、くよくよして病的になったことも。

 自分の性格を直すことは難しく、この自分の性格を引きずり、墓場までいくのだろうか・・・などと悲観したり。そして、短所を呪ってみても、何の解決にもならない。

 生き甲斐の心理学で、ロジャースやエリクソンの人格形成理論を学んだことは福音であった。ただ、教科書的に理解するだけでなく、現在進行形でもあるが、自分の過去の事例や持統天皇の事例を考えたり、また私の場合は動物園で動物の行動を研究していると、何かホッとすることに出会う。やはり優れた人格形成論は奥が深い。

 理解を深める中で気付いたこと・・・自分の性格は、自分だけで作ったわけでもなく、両親、祖先の影響や社会の影響を大いに受けているということ。こんな私になったのも、それなりの深い事情(自分がコントロールすることもできない)があるということ(だいたいは生き残るパワーと連関している)。

 そういう気付きは、身近な人の性格を許容するというか、受容する場合にも役立つ。なんという変人と思った人も、きっと、それなりの事情があったんだと暖かく推察するようになる。

 優れた人格形成理論の理解を深めることは、自己肯定・他者肯定のスタンスを取りやすくするようだ。

 もう一つは、こんな性格の自分を、やさしく見守る眼差しの発見である。死後の世界の霊魂とか、神仏とか(私はカトリックであるが)はきっと存在すると思う。・・・そんな信じる世界との関係もあるかもしれない。

 そして、性格を一新することはできなくても、今ここで前に向かって跳躍する意味を考える。カンガルーは足の構造上後ろ向きに走れない、前に向かうしかない。人も同じようなところがある!

性格を考える 1/10

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積極的傾聴法って何?(傾聴のポイント 10/10)

2012-02-26 | 第八章「魂と聖霊」

 傾聴について考えてきたが、実際の傾聴でよく使う積極的傾聴法を最後にご一緒に考えてみたい。傾聴のポイントである共感や受容なども含まれていて、また実践的なので、私も愛用している。普通のお話を聞くのと違っていて、努力が必要だが、傾聴やロジャースの6条件を身につける上で大切なようだ。

 ①うん、なるほどと本気で傾聴し単純な受容を表明すること

 ②相手の言葉の重要な短い最後の言葉を反復すること

 ③感情の反射、つまり相手の気分・感情と同じレベルで付き合い、共感していくこと

 ④感情の明確化、つまり言葉に表現できるよう整理整頓してあげること

 (「生き甲斐の心理学」植村高雄著 32ページより)

 この中で、感情の反射とか、感情の明確化という言葉がでてくるが、これも傾聴とは何かを考える上でとても大切である。抽象的に考えてもいいが、過去一日でも良いが、会話の中で感情のことを話題にしたか、それはどういう感じだったか・・・など、具体的に思索するとよいかもしれない。

 日常の中で、スマートに自分の感情を表現する人がいるが、そういうとこから学べることも沢山ある。

 先日の多摩動物公園のオラウータン親子も、言葉ではないが、何かが伝わってくる。

  傾聴のポイント 10/10

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人って何?と問うこと!(傾聴のポイント 9/10)

2012-02-25 | 第八章「魂と聖霊」

 アマゾンから届いた、「人は死なない」~ある臨床医による摂理と霊性をめぐる思索~矢作直樹著(東京大学大学院医学系研究科・」医学部救急医学分野教授)を読んでいる。まだ、半分くらいのところであるが、なかなか深い。また、救急医療の最前線の方の著作でもあり、かつて福祉業界で働いていた時のことを思い出したりしてる。

 傾聴をするときのポイントを、テキスト「生き甲斐の心理学」を参考に書いてきたが、やはり、最大のポイントは、その人の背後にある人間観(死後の世界を含めた)かなと思う。自分もそうであるが、傾聴の技術も大事だが、自分を深く想い信頼してくれる人に助けを求めにいくものだから。そして、それは宗教や哲学の領域と関係が深い。

 人間観は、何故?と根源を問うところから始まる(如何に何かをするかではなく)。あるいは在ることの意識化から始まる。その問いは幼いころに起源があることが多いようだ。私も、そういった体験がある。

 アラスカの公園で一人トーテムポールの前に立ち、彫られた不思議な動物と対面しているときに感じた不思議。霊性の芽生えなのだろうか、そんな記憶がある。

 医療や福祉などの世界は、様々な死と向き合うことが多い。ケアする側も、それなりの人間観の確立が求められる。そのためには、自分の原点にさかのぼり、地に足がついた人間観を良質の知識を得て形成できればと思う。

 先日行った中欧。大寺院も沢山見学したりしたが、もっとも心を惹かれたのは、ハンガリーの大寺院で静かに祈っている老女の姿であった(その時は大寺院の伽藍よりも感動)。「人の身体は神の神殿」という聖パウロの言葉があるが、何が大切なのかあらためて教えてもらった。

  傾聴のポイント 9/10

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