イキイキと生きる!

縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

難問をどう越えて行くか・・・(縄文世界を感じるとき② 2/10)

2023-04-27 | 第四章「愛とゆるし」

スーダンからの日本人の脱出の状況などが報道されると、どこか他人事ではあるけど、人の存在の危うさ、ありようにふと気が付かされたりする。

我々の日常でも問題が次々にやってきて、それに対し対応していく。しかし、時にかつて宿題にしていたような問題が、突然別の形で現れ難問となり、立ちはだかってくることがある。当然だが困り果てていると、前回の「旅」の話ではないが、自分の殻というか自己概念がちょっとしたことから崩れ、新しい世界が開けることがある。こうした現象を100年くらいの短い歴史しかないけど、現代の心理学は捉え役にたつ公式化をしている。カール・ロジャースの人格形成論などがそうだ。これは国際会議などでも使われホモサピエンス共通の非常に普遍性が高いものとされているようだが、私は気楽な小説家なのでそれを縄文時代にも当てはめて妄想してしまう。それは兎に角、難問に立ち向かうときは次のような手順になるようだ。

人には背骨があり大事な身体を支えているが、同じように人の心を支えるアイデンティティが必要である。意外に人は脆い。その支えは宗教とか思想のようなものであり、自分の中で育て身に着け、かつ更新・革新していくようなところがある。

次に、人が現実にどう向き合い、その中から解決へのヒントを見つけなければならないということがある。北風と太陽の例ではないが、自分の守ろう守ろうとしているときはそれができない。こころの窓を開ける必要がある。峠の茶屋?・・ホッとするひと時が大事だ。ニュートンがパンデミックの時に公園でリンゴが落ちるのを見て・・そんなことが大事なのだろう。愛や慈愛を感じることも解決のカギだ。

そして、最後はそのヒントを現実に合わせて、しなやかにどう展開するかである。ニュートンは知性化し、縄文人は非常に微妙なデザインの変化を昇華で表現し(編年?)、・・・ちょっとしたこともあるが大きな変化に繋がることもある。しなやかに・・・フロイトが発見した14の防衛機制にそのヒントが隠されているようだ。

U先生の「生き甲斐の心理学」でいうと、アイデンティティの統合、現実吟味力、防衛機制ということだろうか。恐らく、こうしたことは生きる上で、より良く生きる上で大切なのだと思う。

今の世の中も、現状はかなり厳しいが、10,000年を超えるといわれる縄文時代も難問は次々に祖先に突き付けられたのだと思う。場合によれば喜界カルデラの爆発など私たちが想像もできないほどの自然災害などもあったのは事実であり、それを越えてきた縄文人の底力に以上のような心理的(もう魂の世界かもしれないが)なプロセスが隠されていると思うのはおかしいだろうか。

その具体的なことは文献も残っておらず殆ど分からないのだが、遺物を①真善美②喜怒哀楽の感情③五感体感の面でとらえなおすことが近道ではないか。土器などは①は意図する意味、芸術性・・・②は表現された感情③鑑賞する側も触覚や視覚、聴覚などから何かを得ることは・・・かつて持統天皇について、万葉集の巻1が持統天皇が編集したということがほぼ定説なので、その観点も含めて①②③の面で分析したことがあったが新しい認識を得たように思う。縄文時代の遺物は各段に難しいと思うが手がかりはあるように思うし、五感という意味では新鮮な面がある。

そして、もう一つ。意外に知られていないが、他者分析は自己分析が深まってないとできないのではないかということだ。縄文時代の旅をする一方、私は自分の生育史の旅もしているようだ。ALWAYS三丁目の夕日ではないが、昭和20年30年40年台の四ツ谷・曙橋のことをよく思い出す。そして、当時は受け入れられない雑多な社会が今はだんだんここちよくなってきている。

縄文世界を感じるとき② 2/10

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       森裕行

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旅で大事なことを見つける (縄文世界を感じるとき② 1/10)

2023-04-10 | 第七章「光と復活体」

日常的な生活からちょっと離れる旅をしたことで、大きな気づきを得て人生が開けるという経験は多くの方が経験することのようだ。この大きな変化をもたらす旅について考えたのだが、まず、温かく迎えてくれる何かがある。それは愛とか慈愛に満ちた何か。旅の峠の茶屋とか何かそんな感じだ。さらに、旅であるので日常的な過去の悩みや将来の不安といったことを棚上げしているということもあるのだろう。

もう一つ大事なことは、日常的でないということで旅にはある種の鋭い注意力が必要となる。それは、五感体感が敏感になることでもあり、普段つかわない脳の働きもあるのだと思う。これも大事。

さて、先日は久しぶりに妻の退職記念もかねて山梨や信州の小旅行をしてきた。ちょうど桃の花や桜の花が見ごろのころで良い思い出となった。

ところで、この小旅行は一つの妄想から始まっている。私が縄文に捕らわれたきっかけとなった、東京のストーンサークル。この遺跡は冬至に蛭が岳山頂に入日が沈むことで有名なのだが、東西の線(春分や秋分)も意識されているようであり、景観上はまったく明らかでないが同じ緯度に大森貝塚があったり、甲府盆地の方は南アルプス市の鋳物師屋遺跡があったりする。当時の測量技術については何とも言えないところであるが、ひょっとしたらヒョウタンから駒が(笑)。同緯度についてはまだ妄想なので書いてないが、最近発表した東京のストーンサークルに関する拙文をご興味のある方は是非お読みください。

東京のストーンサークルも縄文人が冬至などの祭りの日に、遠いところから旅をして来たと思う。そして、ひょっとしたら、その場所で瞑想や座禅、あるいは今日書かせていただいた旅のポイントのような条件を得て、人生が変わるほどの気づきを得たかもしれない。

ところで、私のほうはどうだろうか?今回の旅だけではないが、不思議な出会いがいくつかあり、縄文小説第2弾の大きな糧・気づきとなってきた。旅は旅行だけでなく、ちょっとした非日常でなりたつようだ。

縄文世界を感じるとき② 1/10

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縄文人は座禅や瞑想をしたのだろうか? (縄文世界を感じるとき 10/10)

2023-04-03 | 第十章「今ここでの恩寵」

縄文時代の住居址で敷石住居址ほど考えさせられるものはない。縄文中期の後半くらいから1000年くらいそうした住居を祖先は作るのだが、これは一体何のためであったのだろうか。いろいろな説があるが、ここひとつ説得力に欠けるように思う。ただ、何か意図があったことは心理学的に考えても確かであろう。

さて、U先生の生き甲斐の心理学の勉強をしていると、よくアイデンティティの統合という専門用語が出てくる。普通、人は生きるためにある種の鎧を身に着けるものだ。しかし、大きな変化などではその鎧が自らを変化させる点で阻害要因になってしまう。個人の場合もそうだが集団でも結構同じようなことがおこる。ある技術で独占的な立場にあった企業が、その技術を根本的に凌駕するような世の流れの中で、次の技術をうまく取り入れられず倒産してしまうことは多々ある。反対にゼロから出発したような集団は強い。

こころの鎧(防衛機制)も大事だが自分を導く柱を見失わず柔軟性をたもつのは、今も縄文時代も同じように重要なことではなかったのではないか。

私は小学生のころ二つの命に係わる体験をした。一つは通学の途中で友達を交通事故で失ったこと。もう一つは自分自身が海水浴で荒波にさらわれて溺れかかり、危うく父に救われたということだ。この二つの記憶は60年以上の出来事であっても結構なまなましく思い出される。しかし、前者は、こころの問題に結びついたが(今は問題ない)、後者は歴然とした命の危機であったにもかかわらず不思議にも何の問題もなかった。

後者のことを考えると、その危険な海中での出来事の中で、運命に身をまかし心の自由さを保ったようなことがあった。へんな話だが慌てて藻掻くのではなく意外に冷静に柳に風のように救助を待ったのが幸いした。火事場の馬鹿力という諺があるが、身体的は力は出せなくてもこころの平安が危機の中で保てたようだった。海中に投げ出される前に深く息をすい、そのままじっとしていたのだった。

最近、アイデンティティの統合を考える上で、禅のメカニズムに関し大変興味をもっているが、呼吸と今ここに対する感覚は何か関係があるようだ。人は過去と未来、そしてその境?の現在を日々経験しているように思う。しかし、生きることで大事なのは今ここであり、その世界は集中すると、深く何かに満ちていて、静かにそこに触れているとこころが自由になってくるようなのだ。旧約聖書にでてくる「ある」という神・・よく聞く「悟り」。まあ、いろいろな表現で古今東西の経験者は語っていると思うが、ホモサピエンスがホモサピエンスらしいのはその点ではないかと思う。

苦難の旅の中で偶然といってもよいような時に見出される何か。それはちょうど反対の無力で静寂にみちた禅などの修行の時に見いだせられるようなものかもしれない。まあ、無力がキーワードかもしれないが。

縄文時代のある時期の敷石住居のような不思議な文化傾向。それは禅などに通じているのではないだろうか。

話は少し変わるが、土器づくりなどの経験をさせていただき、丁寧に縄文などをつけるような単純な動き。こうした動作の中で禅に通じるようなもの、あるいは純粋な祈りの世界に通じるものがあるように思う。

今週の木曜日は満月。そして日曜日はキリスト教の復活祭。復活祭はちなみに春分 の日の後の最初の満月の次の日曜日。祈りの中で迎えたい。

縄文世界を感じるとき 10/10

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