少年のころ雪が降った次の朝だったか、庭石などに積もった雪をぼんやり見ていた時に、父親が珍しく雪景色を見ながら、自然の美しさだけでなく蔭に潜む不思議な法則の話をしていた。人間は自然から学ぶ・・そのころはぼんやりと分かったつもりであった。しかし、今頃になって自然の真善美というのだろうか。父親が話していた意味がよく分かるようになってきた。人間のこざかしいロゴスを越える自然。それをとらえずして何なのだろう。
先日、考古造形研究所の森山哲和氏のアーティストとしての年縞や貝塚の標本、そしてイタリアのパエジナストーンを見学する機会を得た。自然が作る美しい夕焼けや壮大な景色、五感で味わえる現象は日々刻々変わっていくが、湖の底にたまった年輪のような年縞などはそれこそ物凄い様々なことを例えば1m程度の幅で1000年くらいを表現していたりする。屋久島の縄文杉のよう3000年とかの年輪を重ねる木々もあるが、水月湖の年縞などは7万年くらいの年月を重ねている。時間とともにもたらされる様々なこと。人間の栄枯盛衰もちょっとはあるが、大きな気候変動、変わる植生・・・それは想像を超えるもののようだ。
そして、何とも言えない美を産み出している。縄文時代は13000年位の時代であるが、旧石器時代は24000年くらいある。そして日本列島にまだホモサピエンスがやってくる前の60000年前とかの時代も年縞はしっかり記憶している。
しかし、縄文人は私たちと違いむき出しの自然と対峙してきたのだと思う。自然を学ぶ縄文人、そして、それを学ぶ私。自然も学ばなければならないことは当然だ。
AMOR「縄文時代の愛と魂」に(⑧災害の中でも命を紡ぐ)を掲載しました。こちら
5/10 縄文世界を感じる時
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「縄文小説 森と海と月 ~五千年前の祖先の愛と魂~」
縄文中期の関東・中部地方を中心にした愛と魂の物語です。
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森裕行