イキイキと生きる!

縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

外海町の教会を縄文の視点から見てみる (縄文時代もおもしろおかしく 8/10) 

2020-02-27 | 第九章「愛」

 もやもやしている時に、美しい景色を眺めたり、美味しい地元の料理を食べたり、素晴らしい本を読みこころを統合する機会を先週いただいたようだ。そして、何かスッキリして帰宅した。帰ると新型コロナウィルス伝染症騒ぎであったが。

 いつものように車(レンタカー)で廻る忙しい旅だった。福岡・太宰府天満宮・九州国立博物館・大分県の宇佐神宮・佐賀県の東名遺跡と吉野ヶ里遺跡遺跡・長崎県の大浦天主堂、原爆資料館、長崎市民俗歴史資料館、遠藤周作記念館、外海民俗歴史資料館、ドロ神父記念館、出津教会。

 訪れたところは、この数年行きたいなと思っていたところで、それが実現したのは何より嬉しかった。そして、旅のお供は「人類はなぜ<神>を生み出したのか」(GOD A HUMAN HISTORY)著者レザー・アスラン 2020年2月(文藝春秋)の本一冊。著者は古代からの考古学の知識だけでなく、心理学、宗教学に詳しく、さらに元キリスト教信者であり現イスラム教信者であり(信者の人が書く本は迫力があると個人的に思う)、人間の本能は食欲や性欲だけでなく神を求める欲(見神欲)もあるという欧米の伝統的立場を取られているのも魅力があった(もっと現代的な言葉で表現されているが)。もちろん、次作の縄文小説を意識した取材旅行でもあった。

 今回の旅はそれぞれ得がたい体験をさせていただいたが、美しい長崎県の世界遺産でもある大浦天主堂や外海が最も印象的であり、スケジュールを曲げて楽しませていただいた。

   

 長崎、外海は遠藤周作先生の「沈黙」で有名であり、最近も映画化されたりしている。幕府の弾圧と隠れキリシタン、潜伏キリシタンは有名であるが、それが何故この地方であったのかの解明は結構難しいと思う。良く土着化されたとか言われるが、こころの深い部分でどのように受け入れられ300年以上長らえてきたかはとても大事なことだと思う。キリスト教の宗教書も長い時間の中に連綿と残されているが、その中で日本版アダムとイブと洪水伝説のような物語「天地始之事」が大事にされていたにも関わらず、その意味は徹底的に解明されているとは言えないようだ。縄文時代に興味のある私にとって無視できない伝承でもある(世界の神話ではポピュラーな洪水神話が日本神話の中にないこともあるが)。そんな中、民俗歴史資料館で縄文後期の遺物である土器などを観ていると、全世界的な考古学、民俗学や宗教の流れが、この美しい外海に現れているのではと思えてしまった。そして、その中心は愛であり、神の似姿なのだろう。

 写真は遠藤周作記念館から海(東シナ海)を望む景色。

縄文時代もおもしろおかしく 8/10 

にほんブログ村 ライフスタイルブログ 生き方へ <・応援いつも感謝しています!

 ------------------------------------------------------------

縄文中期の関東・中部地方を中心にした愛と魂の物語です。

「縄文小説 森と海と月 ~五千年前の祖先の愛と魂~」購入方法

1.紙の本の入手については・・・

  四ツ谷サンパウロさんへ 定価(1,500円+税)送料別。

  電話:03-3357-8642(書籍・視聴覚)

    住所:〒160-0004 東京都新宿区四谷1-2  

2.電子書籍版は定価(1,000円)でアマゾンさんで、

  Kindle unlimitedなどの特典で無料でも読めます。

 

 サンプルもあります。

 
縄文小説 森と海と月: 五千年前の祖先の愛と魂
森 裕行

 

  なお、カスタマーレビューを書いていただけると励みになります!

 尚、私の電子書籍は現在この縄文小説だけです。同姓同名の方の

 著作がありますのげご注意ください。私の著作の確認はこちら!

 ------------------------------------------------------------

+++スマートフォン等のブログ表示で心理学関係の広告が掲載されることがありますが、私が推薦しているわけではありません。ご注意ください。


仮面の二重否定としての仮面のビーナス (縄文時代もおもしろおかしく 7/10)

2020-02-25 | 第九章「愛」

 マスクは今や貴重品と化して、通販などで通常価格の10倍以上の価格がついていたのを見て驚いたものだが、マスクは歴史的に見ると伝染病対策グッズというだけでなく、顔の一部の表情(口、眼)を隠したり、全面的に別物に化したりし(仮面ライダー、鬼、ひょっとこ、神)、人間社会の中で特別な働きを持つものとも言える。

 そして、その歴史は古い。室町時代の能面を思い出す人も多いと思うが、縄文オタクと化した私は、縄文時代の土面や土偶などを思い出す。先日、佐賀県の東名(ひがしみょう)遺跡に行ったが、そこでは8,000年前の木のお面が発掘されている(現代にも引き継がれている祭りで使われているお面に似ている)。仮面は、おそらく縄文時代を超え、数万年前くらいからあったかもしれない。

 私は今は土偶のことをいろいろ勉強しているが、その中にあって仮面のビーナス(写真:今からおよそ4000年前)ほど不思議な魅力をもっているものはない。

 この土偶は不思議な逆三角形の面を被り、かつ当時の信仰の対象としてのサムシンググレイトのようでもある(国宝になるほど芸術的に技巧を凝らして作られている)。同じような仮面土偶は、見つかった中ツ原遺跡以外にもあり、時の流れ(伝統)の中で生まれて、そして廃れていったもののようだ。

 こうした土偶の伝統性と共に、この土偶は、お墓の副葬品のようであり、一緒に埋葬された方の社会的地位などいろいろ考えさせられる。

 さて、仮面は物理的なものだけでなく、私たちの日常の中でも考えてみればよくお目にかかるものだ。私たちも成長し社会的な存在となれば、時に鬼や夜叉となったり、ひょっとこやおかめになったりもする。それにより重要な局面で役割を果たしたりし、後で考えると鬼でよかった、ひょっとこでよかったなどという思いをもつこともある。

 ただ、本音を隠し仮面だけの生き方をすることは、何か淋しいなと思うこともあるのではないだろうか。しかし、仮面はウィルスを防御してくれるように身を守るところがあり、それを外して自然体で生きることは意外に大変で勇気が必要だ。

 自分の拙い経験だが、意を決し仮面を外し自分の生き方をしてみると目映いばかりの発見をする。もちろん基本的な経済的な問題などもあるので、熟慮しつつ一歩を踏み出すほうが良いとは思う。

 さて、発見の一つは、仮面を外すと仮面という側面だけに興味をもっている人は去るが、本音の自分に興味を持つ人が近寄ってこられることがある。これは貴重で、人生の宝のようにも思う。仮面を外して無防備になれば、生身の身体と今までの生育史、そして、非科学的と言われそうだが魂(宗教の世界)からなる自分がさらけ出されていくが、それも気持ちが良いものだ。

 ところで、土偶は魂の入れ物ではないかという説がある。土偶は入れ物なのでそれ以上のものではないが、人の常で私たちは偶像を崇めがちだ。真善美への傾向そのものは決して悪いものではないが、どこかで変になる部分も私たちにはあり、悪徳商法にひっかかったりする。

 さて、そうした土偶が仮面を被っているのが仮面のビーナスだ。これは何か二重否定的であり、仮面を越えた魂の存在をどこかでアピールしているのではないだろうか?

 魂をどのように解釈するかは諸説があるが、死んで身体から離れる生命体であり愛そのものであるという説はどうだろうか。約4000年前の魂の像。それは愛そのものの魂の像かもしれない。

 蛇足だが、私が自然体の道を歩み始めたころ医療・福祉の勉強を少しした。その時、ベテランの看護師の方から手洗いの仕方と重要性を教えていただいた。このやり方で私は病気にならなかったと熱弁を振るわれ、私も真剣に学んだものだ。やり方は今やポピュラーになっているが、真剣に実行することは大事だとあらためて思い出した。

縄文時代もおもしろおかしく 7/10 

にほんブログ村 ライフスタイルブログ 生き方へ <・応援いつも感謝しています!

 ------------------------------------------------------------

縄文中期の関東・中部地方を中心にした愛と魂の物語です。

「縄文小説 森と海と月 ~五千年前の祖先の愛と魂~」購入方法

1.紙の本の入手については・・・

  四ツ谷サンパウロさんへ 定価(1,500円+税)送料別。

  電話:03-3357-8642(書籍・視聴覚)

    住所:〒160-0004 東京都新宿区四谷1-2  

2.電子書籍版は定価(1,000円)でアマゾンさんで、

  Kindle unlimitedなどの特典で無料でも読めます。

 

 サンプルもあります。

 
縄文小説 森と海と月: 五千年前の祖先の愛と魂
森 裕行

 

  なお、カスタマーレビューを書いていただけると励みになります!

 尚、私の電子書籍は現在この縄文小説だけです。同姓同名の方の

 著作がありますのげご注意ください。私の著作の確認はこちら!

 ------------------------------------------------------------

+++スマートフォン等のブログ表示で心理学関係の広告が掲載されることがありますが、私が推薦しているわけではありません。ご注意ください。


生真面目というより、おもしろおかしい同志達(縄文時代もおもしろおかしく 6/10)

2020-02-15 | 第九章「愛」

「生き甲斐の心理学」の学習を世の中で普及するNPO法人は、今から約15年前にU先生を長として誕生した。K市で同じ年に誕生したNPO法人は数十あったが、U先生にお聞きしたところ今は私たちのNPOともう一つくらいしか残ってないとのことだった。華々しい活動をしたわけでも無い小さな団体だと思うが、15年という歳月をくぐり抜け残ったのは何かがあったと思う。

 世の中でのびのびと仕事をすることは結構難しい。様々な批判や意見の中で、私たちは悩んで過去に固着し萎縮していく。そして、自由に発想し動くことを忘れ最後には消滅してしまう。傾聴でよく言われる無防備を忘れていくからかもしれない。過剰に防備することで、多くの内部的力が削がれ活力を失う。無防備、自然体。それは、その中から生まれてくる自由闊達のエネルギーを維持することでもある。エネルギーを維持し燃え上がらせていくこと。それには、夢を信じ仲間を信じる同志が必要なのだと思う。

 縄文中期は、火炎型土器もそうだが関東甲信にも優れた土器・土偶など、芸術作品としてみても素晴らしい文化が生まれた。しかし冷涼化や4.3Kイベントなどの圧力もあっただろう。文化が大きく変わり、縄文後期に繋がっていく。縄文後期はものすごい労力のかかる(つまり一人ではできない)土木作業が行われ、配石遺構、ストーンサークル、集団祭儀の時代になっていく。土器も豪華絢爛の様相から、縄文草創期に見られたような薄く(5mmなど)シンプルで多様性のある土器などに変わっていく。私はこれを衰退とは思わない。文化の再生・活性化の証しと思う。その力は、やがて来る弥生時代、そして日本列島における国作りの時代、そして現代にまで引き継がれているように思う。

 無防備で、おもしろおかしく同志と仕事をする。これはひょっとすると縄文からのプレゼントではないのだろうか。

縄文時代もおもしろおかしく 6/10 

にほんブログ村 ライフスタイルブログ 生き方へ <・応援いつも感謝しています!

 ------------------------------------------------------------

縄文中期の関東・中部地方を中心にした愛と魂の物語です。

「縄文小説 森と海と月 ~五千年前の祖先の愛と魂~」購入方法

1.紙の本の入手については・・・

  四ツ谷サンパウロさんへ 定価(1,500円+税)送料別。

  電話:03-3357-8642(書籍・視聴覚)

    住所:〒160-0004 東京都新宿区四谷1-2  

2.電子書籍版は定価(1,000円)でアマゾンさんで、

  Kindle unlimitedなどの特典で無料でも読めます。

 

 サンプルもあります。

 
縄文小説 森と海と月: 五千年前の祖先の愛と魂
森 裕行

 

  なお、カスタマーレビューを書いていただけると励みになります!

 尚、私の電子書籍は現在この縄文小説だけです。同姓同名の方の

 著作がありますのげご注意ください。私の著作の確認はこちら!

 ------------------------------------------------------------

+++スマートフォン等のブログ表示で心理学関係の広告が掲載されることがありますが、私が推薦しているわけではありません。ご注意ください。


トンネルを通り抜けると四ッ谷だった (縄文時代もおもしろおかしく 5/10)

2020-02-12 | 第四章「愛とゆるし」

 昨日は、四ッ谷の駅前開発のコモレ四ッ谷がオープンしているという話を聴いて、四ッ谷で幼なじみの友達に久しぶりに会ってひとときを楽しんだ。コモレ四ッ谷のピエタを覗かせていただき記念品を頂いたり(素敵なカレンダーで母が喜んでくれた)、コーヒーショップで歴史談義をした(おじさんの楽しみ)。

 この幼友達と私にとっては、コモレ四ッ谷の敷地は思い出が沢山詰まっていて、帰ってからも写真を見たりするといろいろ思い出が溢れる。この場所は江戸城の要衝の四ッ谷見付けに近く、江戸時代の遺構・遺物もでたそうだが、当然縄文時代のそれもあったと思う。四ッ谷は立派な武蔵野台地なのだ。

 そんな昔ではないが、良く前を通った四ッ谷第三小学校。そこは母を始め親戚一同がお世話になり。赤瀬川原平さんのトマソンで有名な祥〇館の四ッ谷階段は登下校に昇り降りして遊んだ。空き地も戦後から間もない頃は多く、幼なじみと秘密の基地ごっこをしたり・・。そんなことをして遊んだせいか、私も幼なじみもいい歳をしながら、妄想の縄文ツアーをしたり、友は、コモレ四ッ谷の隣で不動産業を始め楽しんでいる。

 さすが幼なじみの友達は、お金や不動産には縁が薄いと思われる私ですら、連れて不動産物件を見せてくれた。50㎡月20万円/月の事務所用物件。ご興味のある方はいらっしゃらないだろうか。お声を掛けてくださいませ。私は縄文小説で成功しない限り?高価な四ッ谷の事務所には縁がない(笑)。。

 

 歴史談義の中では、いったんできた道は長い時間を掛けても残っているという話題(法則?)が面白かった。四ッ谷の大通りの話、私の住んでいた路地と江戸時代にあったお寺の関係など・・もちろん縄文時代の話もでてきて、5000年前の甲州街道の話などにも。矢のように通り過ぎる時間の中でも、道や地形は変わりにくい代表選手だ。

 さて、表題を意識して話を整えよう。JR中央線で新宿方面から東京方面に向かうと、四ッ谷駅の手前でトンネルに入る。幼い頃から何度も潜ったトンネルは不思議な感じである。トンネルを通り過ぎると家が近いのかホットするのだ。私にとっては、四ッ谷のトンネルだけでなく父の郷里も呉線でトンネルを過ぎたところの駅だった。最近では多摩の住人になったが、電車や車でもトンネルを通って・・・ということが多い。

 多摩センターから橋本方面に向かう京王線。それと平行して走っているセンター通りも、堀之内の手前、多摩境の手前にもトンネルがある。多摩境のがトンネルのところは特に気になるところだ。大栗川水系(多摩川)と江ノ島方面に流れる境川水系の分水嶺があるからである。昔は峠を越えて行き来しただろう。ただ、5000年前などの縄文時代は同じ文化圏(富士眉月)なので行き交う道や峠は大事にされたのではないか。分水嶺のある峠には、時には自分の限界を越えて登る人もいたかもしれない。尻込みして一生越えないで済ます人もいたかもしれない。峠は不思議な分岐点でもある。

 ところで、私とあなたの関係を「生き甲斐の心理学」ではよく話題にする。私と親しい人。私と疎遠な人。好きな人、嫌いな人、神仏などとの関係にも及ぶかもしれない。そんな私とあなたの関係も、この峠に似ている。いろいろな柵(しがらみ)の中で、感情的には嫌であっても愛し続けなければならないことがある。ここで愛というのは感情の世界とは別で相手を大切にすることとしている。そして、愛を大事にし、感情的には限界を超えてしまうかなといったきつい峠のあたり。

 その限界の時は経験している最中は気づかないかもしれないが、後で考えると何となく俯瞰できる。その限界の時に峠で不思議な風を感じる。こちらがもうダメと思ったときに風が変わり風景が変わり始める。多くは、壁のようだった相手が不思議に変わる。この現象はU先生のブログにも書かれてあり、決してわたしだけの思い込みではない普遍的なことのようにすら思う。それは今だけでなく縄文時代にも合ったと思う。

 ただ、峠を越える努力をしなくても別の世界に行けるトンネルは良いけど。

 縄文時代もおもしろおかしく 5/10 

にほんブログ村 ライフスタイルブログ 生き方へ <・応援いつも感謝しています!

 ------------------------------------------------------------

縄文中期の関東・中部地方を中心にした愛と魂の物語です。

「縄文小説 森と海と月 ~五千年前の祖先の愛と魂~」購入方法

1.紙の本の入手については・・・

  四ツ谷サンパウロさんへ 定価(1,500円+税)送料別。

  電話:03-3357-8642(書籍・視聴覚)

    住所:〒160-0004 東京都新宿区四谷1-2  

2.電子書籍版は定価(1,000円)でアマゾンさんで、

  Kindle unlimitedなどの特典で無料でも読めます。

 

 サンプルもあります。

 
縄文小説 森と海と月: 五千年前の祖先の愛と魂
森 裕行

 

  なお、カスタマーレビューを書いていただけると励みになります!

 尚、私の電子書籍は現在この縄文小説だけです。同姓同名の方の

 著作がありますのげご注意ください。私の著作の確認はこちら!

 ------------------------------------------------------------

+++スマートフォン等のブログ表示で心理学関係の広告が掲載されることがありますが、私が推薦しているわけではありません。ご注意ください。


異文化に触れて驚いてから(縄文時代もおもしろおかしく 3/10) 

2020-02-10 | 第三章「無意識の世界」

 先日、神奈川県秦野市の稲荷木(いなりぎ)遺跡見学会に行った。新東名高速道路の建設工事で発見され、6000㎡~15000㎡といわれる広大な土地の全面発掘で、今しか見られないということでワクワクしながら参加した。当日は3500年~4000年前の縄文後期の遺跡見学が主体であったが、いろいろな遺跡だけでなく貴重な経験をさせていただいた。

 縄文後期は、4.3Kイベントという縄文中期末(4300年前)の気候変動の影響かと思われる事件?で、縄文中期と断絶とまでは言わないものの大きな文化的変容を遂げる。そのためか私が住んでいる多摩丘陵ではそれを境に、住む人がかなり減るようだった。川の下流域や海側に移動したり温暖な地に移動したのではと考えたりしたが、となりの相模台地の丹沢山系の麓にも意外にもお世話になったのかもしれない。

 さて、現地説明会では遺跡に詳しい説明員の方の熱い想いを込めた解説が聴ける。今回の圧巻は縄文後期の住居群と墓域や配石遺構との関係であった。竪穴式住居の玄関を出ると眼の前にきちっと土地造成された墓域(配石遺構もある)が広がるという説明に、見学者の中からどよめきが起こった。私たちと違う感覚をもった縄文人。異文化、異次元の香り・・・。そんな見学者の感情が一瞬全体を支配したようだった。殺風景とも言える遺跡現場なのでなおさらだったかもしれない。

 ところで、私は縄文が好きではあるが、もう一つ「生き甲斐の心理学」の学徒でもある。五感体感による異文化との遭遇。急に外国人に会ったり、外国人から声を掛けられたりしビックリした経験はありますか?異文化に遭遇すると結構取り乱す(驚く)のは人間のつねと言ってもよいかもしれない。しかし、U先生によると深層心理学では、そんなものではなく「自分以外の他人は驚きの対象」だそうで、異文化どころか親しいと思っている配偶者や家族であっても、実は深層心理学的には驚くようだ。

 自分の感覚と相手の感覚の相違。それは身体からくることもあるが生育史から来るものも多いように思う。昔、「生き甲斐の心理学」の勉強会で窓から見える鉄塔(送電線)をどう感じるかを参加者にお訊きしたことがあったが、それは見事に様々だった。電磁波被害を思って強いストレスを感じる人がいると思えば、逞しく外見から幸福感を感じる人までも・・・

 さて、意見や感覚が合わない未知との遭遇の時。二つの立ち位置があるようだ。一つは全面拒否で自分の心を安定化するやりかた。もう一つは、全然異なる感覚をもつ相手に深い関心をよせ、相手が何故そのように感じるかを理解しようとすることだ。前者もケースによれば正しい選択かもしれないが、後者のスタンスは相手への理解を通して自分を広げたり、時には相手を癒やしたりし、相互に一段違う認識の、和解と平和への道かもしれない。

 縄文人も私たちと同じホモサピエンス。愛である魂を持っている。そんなふうに考えつつ、私は縄文時代の先達に二つのことを気づかせていただいたようだった。

 日本では仏壇を持つ家が多い(多かった)。私も朝、祖父母が仏壇で位牌に向かって祈る姿をよく見たりしたものだ。母はキリスト教徒だったので十字架などを部屋に置いていた。現代の宗教と古代の宗教もちろん違うが、玄関の前の墓域は仏壇や十字架などと同じような意味あいがあったのかもしれない。心理学では時々原型を考えることがあるが。何か繋がるところがあるものだ。

 もう一つは、祈るといっても特別な祈り方のことだった。かつて有名なお寺さんに言って修行の真似をしたとき、早朝の荘厳な声明の美しさに感動した。仏教だけでなく、キリスト教の観想修道会等のミサの美しさも凄い。神社での巫女さんの舞なども感動することもあった。宗教というと一般に仏典とか聖書とか教義などを思う人が多い。しかし、典礼というか、祈るやりかたはいろいろであり、そこで五感や体感で感じるものも同様に凄いものだと思う。

 私が小学校のころに聴いた修道会のミサでの美しいシスターの歌声は今でも心地よく思い出すことがある。欧米では老人ホームの中に聖堂があったりするケースも多く特別な場所となっているが、宗教というのは総合的なものなのだろう。

 縄文の墓域に建てられた配石遺構。その場所でどのような祭儀が行われたか。壊れた土偶や石棒、攪乱された配石、消えた木器や有機物。民俗的な情報や神話は残っているものの、文字を使わなかった文化だったのでよく分からないものの、祖先達は確実に五感体感を通して魂の世界を味わっていたのだろう。

 縄文時代の祖先達が信じて見えていた世界。それは真善美と一体化し、当時の芸術的な遺品の中から語り始めるような気がしてくる。

   

縄文時代もおもしろおかしく 3/10 

にほんブログ村 ライフスタイルブログ 生き方へ <・応援いつも感謝しています!

 ------------------------------------------------------------

縄文中期の関東・中部地方を中心にした愛と魂の物語です。

「縄文小説 森と海と月 ~五千年前の祖先の愛と魂~」購入方法

1.紙の本の入手については・・・

  四ツ谷サンパウロさんへ 定価(1,500円+税)送料別。

  電話:03-3357-8642(書籍・視聴覚)

    住所:〒160-0004 東京都新宿区四谷1-2  

2.電子書籍版は定価(1,000円)でアマゾンさんで、

  Kindle unlimitedなどの特典で無料でも読めます。

 

 サンプルもあります。

 
縄文小説 森と海と月: 五千年前の祖先の愛と魂
森 裕行

 

  なお、カスタマーレビューを書いていただけると励みになります!

 尚、私の電子書籍は現在この縄文小説だけです。同姓同名の方の

 著作がありますのげご注意ください。私の著作の確認はこちら!

 ------------------------------------------------------------

+++スマートフォン等のブログ表示で心理学関係の広告が掲載されることがありますが、私が推薦しているわけではありません。ご注意ください。