11月9日(土) 濃霧 風の冷たい日 午後は晴れ
この集落の移り住むまだ東京に通っていた頃の話
深夜のラジオから“阿弥陀堂たより”が流れていた
そのころ集落の古老から、ここにも阿弥陀堂があるよ と聞いたことがある
誰に聞いても墓堀の道具が入れてある小屋と云う
トタンの外壁を剥がすと細い竹を芯にした土壁が見えた
辺りは濃い霧に包まれこの作業を隠すかのよう
明治の頃に建てられたと聞くが土台は朽ちているが梁や桁はしっかりしている
重機の唸りが念仏のように聞こえたのは俺だけではない
小屋の解体とは言え全てがマニフェストに沿って処理が進む
歴史が消え去るのではなく なにか新しいことにつなげたい