朝ドラは最低でも最終回一回は感想を書き続けてきたので、なんか書かないと宿題をやっていないような気持ちになってきています。
既に「おかえりモネ」という新作がスタートしていて、スローテンポでありながら、実はその中身がぎゅうぎゅうに積み込まれている、その作品に毎朝癒されています。
「おちょやん」は、確かに癒されたりその日を頑張ろうとすぐに励まされたりするドラマであったかと言われたら、私的には違ったような気がします。
だけど毎朝面白かったのです。時には何気ないシーンで涙しながら、または笑いながら見続けてきました。
そんな「おちょやん」の総集編は、
6月19日(土) 総合で前編は午後3時05分から4時35分まで。後編は4時35分から6時までです。
BS4Kは7月3日(土)。←微妙に不親切
「おちょやん」は初回から最終回まで、本当に好きでした。道頓堀の芝居茶屋「岡安」の女中時代、京都の「シネマ・カフェ」の女給時代、撮影所の大部屋時代に、再び道頓堀に戻って来てからの鶴亀家庭劇時代。どの時代も面白くて、舞台の中心が移って行くことが寂しくも感じました。あっ、忘れてはいけませんね。山村千鳥一座時代も面白かったですよね~♪
どの時代も懐かしいです。
たった半年のドラマの中でも、その人の半生を描けば、多くの人と知り合って触れ合って、そして別れていく・・・・
しみじみとしみじみと致します。
半年にわたってのドラマの感想を一回で書くと言うのは、無理と言うものだと思います。
だから一番印象に残った事を言うと、やはり撮影所時代からずっと届き始めていた花かごのエピソードだったかもしれません。心の中では「紫の薔薇の人」と言っていました(笑)
女優になれば、生き別れになった弟のヨシヲが訪ねて来てくれるかもしれないと千代は思っていました。だけどその花かごの人は彼ではありませんでした。千代と別れた後のヨシヲの人生は千代よりもさらに過酷なものでしたね。千代はとりあえずは、「岡安」と言うちゃんとした場所を与えられました。でもヨシヲは家庭とは言えない最低な場所から、子供であったのに逃げ出し、あまり良い人とは思われない人に拾われて育ったのでした。
千代はずっとヨシヲを思っていたのに、女優になった千代を知って、ヨシヲは自分を捨てた者として恨んでいたのでした。切ないお話でしたが、再会し別れた後に、ヨシヲはヨシヲで千代を想って生きていたのだと知り嬉しかったけれど、再びの再会は不可能な事になった事も同時に知り、それは悲しかったですね。
そしてまた花かごの事ですが、その花かごは、私は最初、千代が全く念頭にも置いてなかった、腹違いの姉妹か兄弟なのではないかと思っていました。
それが、まさかまさかの栗子さん。
私はこの人を、千代を家から追い出すきっかけになった、完全なるダークな脇キャラなのだと思い込んでいて、記憶の中から消え去っていました。
この人も、朝ドラ史上一番のぶっ飛び父親のテルヲの犠牲者だったのですね。
彼女も借金ばかり作っていくテルヲから逃げ出し、生まれた子供のために何でもやって生きてきた人だったのです。自分の子供が生まれて、そして彼女は母の心を知ったのでした。彼女の口からなつこうとしていてくれたヨシヲの名前が出なかった事は寂しかったのですが、それでも彼女はずっと千代を応援してくれていたのです。
母を早くに亡くし、父は父と言う名前の「試練」でした。ヨシヲとも別れ、千代の家族は一家離散。
だけどそれでも、この物語は家族の物語でしたね。
「岡安」から「岡福」へ。その家族はみな千代にとっても家族でした。家庭劇の劇団たちも家族のようなもの。ラジオの「お父さんはお人よし」の物語の家族も千代の家族のようなもの。千代はいつの間にか大家族のおかあちゃんになっていたのです。
千代の鶴亀新喜劇でのラスト舞台。
それが最終回だったわけですが、本当に心に残りましたね。
千代のセリフ。
「生きるっていうのは、本当にしんどうて、おもろいなぁ。」
「あの時・・・・ならば」
と言うのは、本当に考えても仕方がない事。
「今ある人生、それがすべてですなあ。」
本当に !!!
最終回のOPで、トータス松本の名前が出ました。あれっ、(写真)じゃないの?
と思いました。あの舞台の上から、千代が見たお母さん、お父さん、テルヲの姿に本当に泣けました。
あれは、ちょっといきな計らいだったと思いました。
それから
「あの時あなたと別れたから、新しい出会いがあった。」と言うセリフ。
何も夫や恋人ばかりではなく、友だちとか・・・・・私には凄く胸に迫ってくる言葉だったように思います。
実はこの記事、一回完全に消えてしまって、復旧しませんでした。私の時間を返してよと、凄く不愉快になりましたが、内容をまったく変えて書き直しました。「書くな」という事だったのかなと、勝手に解釈しました。
だけど消えてしまった内容の主旨だけ言うと、私は以前は杉咲花さんが苦手でした。だけど彼女がたくさんのドラマや映画に出てくることが多くなってきた時、私には分からない彼女の良さが、使い手の方々にははっきりわかるのだなと、食わず嫌いは止めようと思い始めていたのです。
やっぱり半年見続ける朝ドラの影響は大きいです。
彼女の一つのセリフの中に現れる、太い細い消え入るようなスゥと言う声の使い分けに、私は徐々に魅せられていき、このドラマを見始めた時から三倍彼女が好きになりました。
だけど夫が最初の頃、彼女の声が煩いと言われていると教えてくれました。聞き取り辛いと言うご意見も拝読しました。
「万人」に愛されると言うのは、至難の業という事なのだとしみじみと思いました。
だけど私は大好きで、「ロス」になるのではと心配しましたが、とりあえずは「おかえりモネ」に助けられています。
追: トータス松本さんは、あんな憎たらしいお父さんを演じられて大したものだと感心しましたし、成田凌さんは、全く女にだらしがない情けがないなと思う一平役だったけれど、今まであまり注目してなかった人だったので、寧ろ気になる人になりました。