京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

青い秋の空の下で

2008年10月01日 | 日々の暮らしの中で
朝夕の涼しさにも冷気がましてきています。

いよいよ十月。
二日間降り続いた雨があがり、風が雲を吹きはらう。
秋の空が明るく青く美しいという、ただもうそれだけで、気持ちが高揚してきます。
いいことがありそうです。

北の地域では、季節の訪れが一歩も二歩も進んでいるようです。
しばしご家族をおいて健康の回復に努めていらっしゃる方も…。
早い時期のお戻りを心待ちにされていらっしゃるでしょうことに、思いを馳せてみたりしています。


       『白い自由画』   丸山 薫
    「春」という題で
    私は子供たちに自由画を描かせる
    子供達はてんでに絵の具を溶くが
    塗る色がなくて 途方に暮れる

    ただ まっ白な山の幾重なり(いくかさなり)と
    ただ まっ白な野の起伏と
    うっすらした墨色の陰翳(かげ)の所々に
    突刺したような
    疎林の枝先だけだ

    私はその一枚の空を
    淡いコバルト色に彩ってやる
    そして 誤って
    まだ濡れている枝間に
    ぽとり! と黄色を滲ませる

    私はすぐに後悔するが
    子どもたちは却ってよろこぶのだ
    「ああ まんさくの花が咲いた」と
    子供達はよろこぶのだ


春を予感するような子供の喜びが感じられる、季節は少しずれるのですが…。
想定外の子供の感性が感じられて好きな詩です。

大きく奔放に翔るはずんだ心を大切に伸びて欲しいと願って、 
ある二人の少年たちを頭の片隅に置き、今日はこの詩を……。

コメント (2)
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