京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

保証書付きのバランスで

2008年10月12日 | 日々の暮らしの中で
体をまっすぐにすれば心もまっすぐになるのだと、104歳の禅師が言っておられた。物の置き方・スリッパの揃え方―みんなこころの現れだとはいいますが

裏の畑で取れたホウレン草をいただき、草みたいに束ねられたニラをいただく。
土に汚れていても“信頼と安心”のある食材(のはず)です。

手つかずだったからとの再利用、賞味(費)期限切れのパックの陳列…米を疑い、果ては菓子類にまで及び、「味覚の秋」に食の安全はどう保証されるのでしょう。

『一日江戸時代』
ある晩秋の一日、我が家では朝からあるTV局での収録がありました。
水団(すいとん)を作り、持ち寄ったお漬物を添えて町内中が家族ぐるみで集まっての会食です。
小麦粉を水で練って作るだけのものですが、まあ現代のこと、出し汁は美味しく“作ってもらえます”。
例によっていつも私はチョイ役のお手伝い、賑やかしでした。

が!、インタビューだけはしっかり回ってきたのです。
が、「一日ぐらいなら…」、なぜもっと気の利いたコメントが言えなかったものかと!
大幅カット。しかしアップの映像で終了でした、私に関しては。
小麦粉だって今はお高くあります。江戸時代、たかが水団ではありますが。

何でもかんでも手に取る品をぐるぐるひっくり返し、何を根拠に安心のお墨付きを頂こうとするのでしょうか。
豆腐一丁を買うのに、重なる底の底から1パックを取り出したお母様。
(そこまでする~?)と見ていましたのですが…
自己認定書付き「信頼と安心」の保証を印し、豆腐のパックがスーパーのかごに入れられていきました。

今、あちこちで見られる光景となっています。
疑心と信頼のバランスをとろうと、品選びにも心が動きます。
  なぜちゃんと立っているのかと…
コメント (10)
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