京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 彩りの一冊は…  

2009年09月22日 | こんな本も読んでみた


本を読むときは正座です。せいぜい胡坐をかき、やがて体を前後に軽く揺らし出すのを見受けます。足の疲れや姿勢そのものをほぐしているのでしょうか。本は机上に、もしくは手で正面に構えて持ちます。

結婚前、三橋節子著『湖の伝説』を単行本で送ってきた夫でした。「…吾故郷を余所に見んとは」と武将の和歌を添えた手紙を付けて。ハチャメチャな取り合わせは、送り主そのものです。

私は、腹ばいになって肘をついて本のページを繰ることもあります。何かにもたれ膝の上に本を乗せ、お菓子をつまみながら…読んだりもします。本に染みをつけてしまったり。ソファの上なら超りラ~ックス。夫は横眼でチラチラ、時にニタッとしますが、私の恰好をなじることはしません。ただ、私の横に正座人間がいることを想像すれば、何とも…行儀が悪い光景。

東京に出た息子が十八歳の頃、最近面白かった本だと紹介してくれたのが、キャムロン・ライト著『エミリーへの手紙』。 “死んだおじいちゃんがいいたかったこと”と帯にありますが、早速に読んだ一冊。

小学生の頃、父の書棚からB5判ほどの古臭い「銭形平次捕り物帳」を抜き出した記憶があります。好きで何度も読んだ童話があったかどうかも忘れているのに、夢中で読んだ一冊。

娘は今回の帰国中、東野圭吾氏の作品を読みあさり、何を思ったか夏目漱石の本を買い込んで戻りました。彼女の頭の中は想像がつきかねます。

人生の折々に彩りを添えてくれた書物はあるものです。
課題図書の感想文がかけずに閉口した学生時代を思い出します。今その一冊が、岡本太郎著『青春ピカソ』(新潮文庫)。本来なら、興味をもってその世界に入りたいのですが、どうもいまいち、こうした類は苦手です…。

そういう時に限って、ぐーたらな格好で読み出す。「著者に悪いだろう!」という声が聞こえてきそうです。人並みに、「読書の…」。
コメント (5)
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