京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

「…てなんだっけー」にこめられた見栄

2009年09月12日 | 日々の暮らしの中で


学生風の男女が電車に乗り込んできて、私の隣に腰をおろした。と同時に女性の言葉が聞こえた。「今は小学校の一クラスに???の割でADHDなんだってね」

男性は体を前傾したまま彼女の話を聞いていた。ほんの一瞬、間があって「うん、ADHD…」と。言葉の最後は軽くしり上がりだ。そのさらにほんの数秒後「ADHDってなに?」と尋ねた。素直そうな感じで聞こえたが、いずれもこのわずかな「ま」が何を意味するのだろう。「そんなん、自分で考えてぇー」が女性の返事だった。で、お終いになってしまった。

わからないから聞いてるんやろ~って、隣で私は女性の言い方を不満に感じていた。

この時、男性は知らない言葉が出てきても、聞かないふりで流してしまうこともできたかもしれない。それとも、もっと女性の考えを知りたくて尋ねたのだろうか。
また、女性も聞かれた時に例えば「多動性障害」という言葉に変換していたら、学生らしい教育論でも展開されたのだろうか。
電車内だし、ここらがおさめどきだったのかな…。

利口すぎる人は、爪を隠そうと鈍なふりをする。軽薄な人は侮られまいと背伸びをする。「「アホぶりなかしこ」「かしこぶりなアホ」と言うらしい。

私なら聞くとしても、「ADHDってなんだっけー」派かもしれない。ちょっぴり見栄を張ることはあるだろうな。いずれにしても見透かされそうだが。

ちょっとしたことから見知らぬ人のイメージが覗ける。電車の中でも人の話に耳を傾けていると退屈しない、ってことはありそうです。

          ( 本日新着の写真、Jessieだけでよいのに?)
コメント (8)
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