京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 夢・誇り・愛…

2009年09月24日 | 映画・観劇

第140回直木賞作家の山本兼一氏は京都市在住。千利休が切腹する場面に始まる『利休にたずねよ』が授賞作だが、大徳寺は子供の頃の遊び場だったそうだ。山門の上に木像がある。京都の街を歩けばそこここで「歴史」にぶつかる。日本史に出てくる数多くの人物が歩き、見ただろう風景。さほど変わらないそれを今自分も見ているのかもしれない。そう思えば楽しい素敵な街、京都かな。

著書『火天の城』を原作とする映画「火天の城」を見てきた。

【百花繚乱の安土桃山時代―織田信長が天下統一の先に見た日本。その象徴は、日本建築史上最も壮大にして華麗なる城“安土城”。築城の命が下った!
挑むのは、天才宮大工・岡部又衛門率いる〈百万人の名もなき男たち女たち〉。「すべての人の手により、山ひとつ城にする」三年に及ぶ前代未聞の大事業…(略)…
織田信長の最後の夢が、岡部又衛門と家族の愛が、仕事に命をかける男たちの誇りとそれを支える女たちの愛があった。】
…この程度の入門、お邪魔にはなりますまい…。

2000年の歴史を背負う木曽のヒノキを守る緒方直人演じる杣人、夏八木勲が演じる穴太(あのう)衆の長の言葉も心うつものがある。
♪「空には空の… 海には海の…」、中孝介がエンディングで歌っている。

「気張る」(=努力する。「気」を張ること)
この「京ことば」の先は、自分を取り巻く人間関係を使って多面的で多様な視点のサポートを得て、自分の能力を伸ばすことにつながるのだそうだ。
ちなみに、「頑張る」は「が=我」を張る。じぶんひとりのがんばりだと。

みなさん よおう きばらはります…。 そんな作品だった。

映画を見ている最中に、原作者のことが頭に浮かぶのは初めての経験だった。

         (映画館のすぐ近くに信長公の御廟があります)
    
コメント (8)
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