京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 女の火花・・・

2009年09月08日 | 日々の暮らしの中で
帽子に日傘、日焼け止めクリームと気を使っても、夏の日差しは私の腕にサンサンと。これからは長袖で隠せるし、そのうち色も落ちるでしょ、と言うのに、もう遅い!今更もう無理だと。Iさん曰く、「落ちいひんわ」。

「アンチエイジング」、これやな。Anti (反) aging(年をとる・老いる)。
今を保つ、戻らんでもいいな…、いやいや少しばかりの若返りは期待したい。お肌もみずみずしく。そんな化粧水が作れるというではありませんの。

八日の晩に菊の花の上に綿をかぶせ、一晩かけてその香りを移した綿で九月九日重陽の節句に身体をぬぐうと、老いが去ると信じられていた。綿は夜露でしっとりと濡れている。

『紫式部日記』に記されている、1001年前の9月9日重陽の節句の朝のエピソード。
【九日、菊の綿を、兵部のおもとのもてきて、
「これ、殿のうえへの、とりわきて、いとよう老いのごひすて給へと、のたまはせつる」とあれば、
  菊の露わかゆばかりに袖ぬれて 花のあるじに千代はゆづらむ
とて、返し奉らむとするほどに・・・】

菊の綿が、(式部がつかえている后の母に当たる)道長の北の方から式部に届けられた。「充分によく老化をぬぐい捨てなさいませ」と。
式部が返そうとした歌は
(なんのなんの)「いただいた菊の露に私は若やぐ程度に袖触れるにとどめ、それで拭えば千代の寿命が延びるというその寿命はあなた様にお譲りしましょう」

道長を間に、45歳対推定30代後半の女の戦い、火花が散る。

まだ菊には早い。自家製でアンチエイジングの化粧水。婆様の深いしわも伸びるだろうか。千代の寿命も?敬老の日がやってくるな。
「ありがたきもの・・姑におもはるる嫁の君」。
9月21日、菊の花は…。やはり「思はるる嫁」とも縁遠いってことかな。
               
     (顔を忘れそうになります…) 
コメント (3)
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