京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 半・化粧…ハンゲショウ

2010年07月02日 | こんなところ訪ねて
                 

七十二候の一つ、夏至から11日目、7月2日頃に当たるのが「半夏生ハンゲショウ」と言われる。

その半夏生の頃に葉が白くなるから、葉が半分お化粧したような装いに見えるから、さらには、草全体の半分が化粧したように見えるからなどといろいろだが、建仁寺の塔頭両足院の池のぐるりに群生するハンゲショウが、折からの雨に濡れていた。

            

盛りは先月20日ごろされていて、やはり遅かった。
1枚の緑色の葉も、徐々に白く変色していくのだ。たぶんその頃がきれいなのではないだろうか。今日あたりはもう何かでしっかり塗りつけたかのような厚化粧に見えた。ひと夏の宴が終わる頃には疲れたお肌で色艶を失い、色素が抜けたように色褪せていくコースをたどるようだ。

獄中にあっても「自由」がある。ただ、生きては誰も出られたことがないという野山獄(のやまだけ)は長州藩・萩にある武家専用牢屋敷だと、冒頭から説明される。
そこに、メリケンへの密航に失敗した吉田寅次郎(松陰)が投獄されてきた。たった一人の女囚お久が次第に寅次郎先生に心を寄せていく…。

吉田松陰生誕180年を記念した作品「獄(ひとや)に咲く花」。
2月、山口・福岡県で先行上映されて、やっとこの地で見られることになった。直木賞作家・古川香原作『野山獄相聞抄』の映画化だという。

これは獄中のラブストーリー?松陰の人生模様なのか?
若さゆえとは言え、ひどく一途な面がクローズアップされているようで、ストーリーがきれい過ぎる。
安政6年、30歳で命を絶たれるまでの、あまりに真っ直ぐ過ぎるほどの直情型、吉田松陰(寅次郎)の姿に疲れを感じた。このシネマ館での上映なのだから、小作品ながらきっと選ばれた1作品のはずだ。けれど松陰像への個人的な期待は少し違った。タイトルの「花」、お久さんにライトを当てるべきかな…。

コメント (7)
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