はっきり意思表示できなくて、断りの言葉を言い出せないまま、読みたくもなかった本を手渡されてしまった。隣で話を聞いていて、正直なところ時間がもったいない、読むなら映画で見るわと、心の中では思っていた。わずかな成り行きの違いで、いつものように、黙って首を振っての「読まない」の意思表示では済ませられなかった。
第6回(2009年度)本屋大賞受賞作品、湊かなえ著『告白』。映画化されて上映中でもある。小耳に挟むストーリーだが、気は向かない。困ったことになった。
第一回(2004年度)の『博士の愛した数式』『クライマーズ・ハイ』、第2回の『明日の記憶』、第3回の『名もなき毒』、第6回の『悼む人』と、これまで受賞作やノミネート作品に映画や本で触れたものがあるのに気付いた。
そもそも本屋大賞とは、【「全国書店員が選んだいちばん!売りたい本」をキャッチコピーにし、選考資格者が「新刊を扱う書店(オンライン書店を含む)員のみ」という点が、他の文学賞と大きく異なる点だ】とWikipediaでは説明している。さらには、【文学性の強い作品よりエンタテイメントに徹した作品が受賞・ノミネートすることが多い】ともある。
『告白』は受賞時既にベストセラー、今年度の『天地明察』も受賞時8万部、現在38万部を超えたそうだ。本屋さんが、最初から売ろうと思っての一層の宣伝興行かと思われても仕方がない。日の当たらない良書を選ぼうとしたもともとの意味合いは薄れてしまっている?そうした作戦に乗るまいと意地を張るわけではないのだが、いくら「売りたい!」、買って! 読んで!と奨められてもね…。
自称“貧乏作家”さんはおっしゃる。良書の中でも宣伝によって売れる・売れないの格差は広がる。その売れない良書への目配りを期待したい…と。
多様に発掘、紹介してほしいものだ。そうすれば、私が黙って首を縦に振る回数も増えるかもしれないのだから。
第6回(2009年度)本屋大賞受賞作品、湊かなえ著『告白』。映画化されて上映中でもある。小耳に挟むストーリーだが、気は向かない。困ったことになった。
第一回(2004年度)の『博士の愛した数式』『クライマーズ・ハイ』、第2回の『明日の記憶』、第3回の『名もなき毒』、第6回の『悼む人』と、これまで受賞作やノミネート作品に映画や本で触れたものがあるのに気付いた。
そもそも本屋大賞とは、【「全国書店員が選んだいちばん!売りたい本」をキャッチコピーにし、選考資格者が「新刊を扱う書店(オンライン書店を含む)員のみ」という点が、他の文学賞と大きく異なる点だ】とWikipediaでは説明している。さらには、【文学性の強い作品よりエンタテイメントに徹した作品が受賞・ノミネートすることが多い】ともある。
『告白』は受賞時既にベストセラー、今年度の『天地明察』も受賞時8万部、現在38万部を超えたそうだ。本屋さんが、最初から売ろうと思っての一層の宣伝興行かと思われても仕方がない。日の当たらない良書を選ぼうとしたもともとの意味合いは薄れてしまっている?そうした作戦に乗るまいと意地を張るわけではないのだが、いくら「売りたい!」、買って! 読んで!と奨められてもね…。
自称“貧乏作家”さんはおっしゃる。良書の中でも宣伝によって売れる・売れないの格差は広がる。その売れない良書への目配りを期待したい…と。
多様に発掘、紹介してほしいものだ。そうすれば、私が黙って首を縦に振る回数も増えるかもしれないのだから。