京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 二千円札の運命

2010年07月19日 | 日々の暮らしの中で
        

いつまでも暮れない夕方、西の空を染める赤みがかったオレンジ色の大気が、夕飯作りを急ぐお勝手の窓にも映えて、そのまま屋内を染めている。白いお月さんが出ていた。
夕焼けが明日も晴天であるのを約束している。あ~、さぞや暑かろう。

       海の日を畳の上で養生す     矢島昭子

真夏日となった今日、これが一番、というところだった。

ジメジメとした鬱陶しさから逃れたくて梅雨明けを待ち望むのだが、開けてみればいつもこれ。「暑さに体が慣れていない」と、繰り返し熱中症対策を呼びかける声が聞こえてくる。
逃げ出すところもなく、屋内にても熱中症では笑い事ではない。

2000年7月19日、二千円札デビュー。
日銀が42年ぶりに新額面の紙幣を発行。年度中に10億枚を予定していたとある。いつ手元に回ってくるのかと初めの興味も次第に薄れてしまった頃、レジのおつりに混じっていた。このあと偶然手に入れた貴重な1枚を永久保存よろしく保管している。使い勝手の良し悪しも体験しないままに。

自分らしさを追い過ぎだ。二千円札の存在意義はどこに? 固執し、価値観の幼さや脆さは棚上げにする。悪いことには、どこか引き出しの隅にでも閉じ込められたりしてしまう。
自分探しなどやめて、早期完全リタイアがのぞましかろう。実際、もう姿を見ない。

畳の上で見た夢、仕事探しの人であふれている…。
コメント (2)
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