京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 お目当ては

2011年04月10日 | こんなところ訪ねて
あえて混み合う人中にも出たくはないし、ということで京都府庁旧本館を覗いてみた。
そのお目当ては、「容保桜」(下の写真右)だ。

 
1862年に京都の治安維持のために設けられた幕府の要職・京都守護職だが、その上屋敷は広大な面積で造られた。そして、その跡地を京都府庁が引き継いでいる。
旧本館は明治37年(1904)に竣工、創建時の姿を留める日本最古の官公庁建物として2004年、国の重要文化財に指定された。

 
       ここをくぐって                中庭へ入ると
                                                                                                                                その中庭に、6本の桜の木がある。            
                      
                 円山公園内の初代シダレザクラの「孫」に当たる

そのうちの1本が、桜守の佐野藤右衛門氏によって大島桜と山桜の特徴を併せ持つ木だとわかった。そして氏は、この地が京都守護職上屋敷の跡地であることから、守護職だった会津藩主・松平容保公の名にちなんで「容保桜(かたもりざくら)」と命名したというわけだ。
             
ただ、実際は樹齢が80年前後なのに、容保公が新撰組の後ろ盾となって京の治安維持に当たったのはおよそ150年前のことだ。
昨年は龍馬に光が当たった。一方に「将軍家を守護すべき存在」と家訓に従い、幕府と運命を共にした佐幕派もあった…。
     
                           館内二階から窓ガラス越しに

様々な歴史をのみ込んできた地、150年前には同じ敷地を歩く会津藩主がいたことなどを思ってみた。白いひとえの花が可憐に咲くという山桜だが、少し大きめだろうか。それでも美しい花を咲かせている。



コメント (6)
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