京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 “明日への希望”・・・

2009年09月02日 | 日々の暮らしの中で
      

京都で“絶対食べたい逸品グルメ”?だそうだ。申し訳ないが、欲もない。

王朝人の食事は日に2回。魚介類と野菜、木の実が中心で味付けは、塩・酢・醤(ひしお)。ひしおとは、なめ味噌、味噌・醤油の先祖のようだ。

その昔瀬戸内寂聴さんは、福井県の武生の料亭「神埼家」で、紫式部が食べたであろう食事を想像再現してみせた「紫(し)きぶ御膳」を御馳走になったことがあるという。その時のメニューを記されている。

京よりはるかに海山の幸に富む敦賀、しかも国司としての赴任の父と暮らした式部は、最高の御馳走を食べたグルメ姫君だったと考えられるという。なかなかのグラマーだったらしい。

窪杯物(くぼつきもの)… みょうが酢漬け、ぜんまいの白あえ、むかご、菊ひたし
生物… 鯛、平目、赤海老
焼き物… いわしの笹の葉包み焼き
楚割(すやわり)… 鰤(ぶり)の燻製、きじの燻製
蘇(そ・王朝のチーズ)  
酒 … 濁り酒、地酒
追物(おいつもの)… 松茸、越前雲丹(うに)、鹿肉のたたき 寿紅(すこ)
餅飯… えんどう、蓬(よもぎ)、黍(きび)、栗赤飯
飯… むかご入り赤飯
木菓子… ざくろ、松実、胡桃(くるみ)、なつめ、栗、柿
唐菓子… ひつら(落雁のようなもの)

二の膳 ― 越前そば

牛乳風呂に入り、一升の牛乳を時間をかけて十分の一に精製するという「カマンベールなんて比じゃない」和製チーズを食べて、豊満な肉体美、ぽっちゃりの下ぶくれ。そーか、そこまですれば“グラマー”ねえ。でも、道長は糖尿病だったと。

ぜいたくの一方に、使い捨て、切り捨ての嘆き組みの声。
【木端(こっぱ)君】木の外側にいたばかりに、カンナくず。ほんの少し内側だったら大黒柱にでもなれたのに。昔は大工さんが、ボクらで焚き火して焼き芋なんか焼いてくれたもの。薄命という言葉はボクのためにある?

【貝ガラさん】生まれる国や時代が違ったら「お金」や「アクセサリー」としてお役に立てたのに。身の奴を守り育ててやったのに、熱い汁の中!食べたらポイ!帆立やサザエなんか直火焼きのゴーモン!あまりに極端な私の運命?

大きな交代劇のあった今、こんな声が…。そら耳か??
「日本を今一度○○いたし申し候に いたすべく心願にて候」 どなた!?
未来への扉を押しあけようとして日本を奔走。○○には漢字で二文字。


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 段差はスロープで 

2009年09月01日 | 日々の暮らしの中で
そのバスはスロープ付きの低床バスではなかった。乗車口の幅も狭く、高い段差のある旧型のバスだった。

歩いていく前方に、停車中のバスから運転手が出たり入ったりしているのが見える。近づくと、入口の一段目に車椅子が斜めになった状態でとどまっていた。介助しているらしい年配の女性が下で支えている。角度でも悪かったのか、運転手は中と外とを繰り返し、一人で車椅子を引き上げようとしていたのだった。

河原町通り、幾方向もの路線がある停留所が並び、道沿いにバスを待つ人が立っている。
問題のバスの中はと覗けば座っている人たちが見える。この一件が少しでも早く終わるの待っているのだろう。

困っていそうじゃないの、そうは見えないの?助けがほしそうには聞こえないの?耳を傾けてごらんよ、手は伸びないのかなあ…。でもどうして口を開かないのだろう。みんな目も耳も手も口もあるのに。力仕事に自信がないだけか…。

振り返ったら、バスのウインカーが発進の合図を出していた。私にも目も耳も手も口もある。邪魔になるだけ、何の力にもなれない、通りがかったところだったから…。こうして言い訳をし、私も心の目をつぶり耳をふさいでいるのだ。

「おーい。手伝ってくれないか~」と声をかけたら、学生二人が走り寄ってくれたと弟から聞いたことがある。三人で車椅子を抱え、駅の階段を下りたそうな。
心の段差はもっと緩やかにしていこーっと。

空高く青空が広がる日だったけれど…。

                (写真:青いにおいが、いいにおい)
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