田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

光が遠い敗戦  レバンガ北海道

2022-03-10 17:56:33 | スポーツ & スポーツ観戦

 残念!というだけではない。光がはるか遠くにしか見えない敗戦だった…。対戦した信州ブレイブウォリアーズの3Pシュートに成す術なく敗れ去った印象だった。懸命に戦うレバンガ北海道の選手たちに光は見えるのか?

   

※ きたえーるの会場の様子を魚眼レンズ風に撮ってみました。

 昨夜、3月9日(水)夜、北海きたえーる(北海道立総合体育センター)で行われたB1リーグ、レバンガ北海道 vs 信州ブレイブウォリアーズの一戦を観戦した。

     

※ 試合前、レバンガ北海道の代表、折茂武彦氏に協賛企業からの寄贈がありました。

 “スポーツは生もの” というのは私の造語だろうか?スポーツの結果は時間が経つにつれてニュース性が落ちてくることから私はそう呼んでいるのだが…。したがって、時系列的には一昨日夜のコンサートを先にレポすべきだが、敢えて昨夜のバスケットボールB1リーグの一戦をレポすることにした。

    

※ レバンガ北海道 対 信州ブレイブウォリアーズのテイップオフの瞬間です。

  レバンガの21番ロング選手がジャンプしています。

 対戦の結果は次のとおりである。クォーター(Q)別の両チームの得点を示すと…、(先に記すのが北海道の得点である)

 第1Q  23 ― 29  第2Q  28 ― 18  第3Q  24 ― 28  第4Q  22 ― 22

 試合全体の結果は  《北海道 94 ― 103 信州》

 バスケットボールにおいて相手チームに3ケタ得点を許すということは、守備が機能していなかったということになるそうだが、まさにこの試合は相手にいいようにやられたといった印象だった。

    

※ バスケットボールの試合会場は非常に華やかなのが特徴の一つです。

 象徴的だったのは第1Qの信州の攻撃だった。信州の77番岡田選手が放つ3Pシュートがことごとくゴールに吸い込まれるのを私は唖然として観ていた。結果的に岡田選手は7本の3Pシュートを決め、計34得点を記録した。岡田選手の動きを見ていると、絶えず3Pシュートを狙っているような位置取りをしていた。対する北海道に3Pシューターという役割の選手は見当たらなかった。試合経過を見ると、北海道は第2Q終了時点でこの試合で唯一リードして終えた。この第2Qでリードできた一つの要因は岡田選手が狙った3Pシュートの何本かを落としたことがその要因と思えた。信州の強さは岡田選手だけではなく、熊谷というPGの動きも鋭く、彼もチーム2位の14得点を記録していた。つまり信州は北海道同様に助っ人外国人もいるのだが、彼らに頼ることなく試合を運んでいた点にあるように思えた。

   

※ この日入場者に配られた折茂武彦選手(?)の引退試合を記念するユニフォーム(背番号9番)を着用して観戦する観客です。(私もいただきました)

 一方、北海道は助っ人外国人頼りのチームに思えた。得点を見てもロング、ブルックスの二人に頼っり切っているかのようだった。ロングが44得点、ブルックスが16点と二人で60得点とチームの得点のおよそ2/3を占め、日本人選手で二けた得点はゼロだった。この差が大きすぎた。

   

※ 今シーズンからヘッドコーチに就任した佐古HCです。(立位の左側)

 この日の敗戦で北海道は今季12勝22敗となり、東地区11チーム中で第8位と低迷している。レバンガ北海道は今シーズンだけではなくここ数年いつも下位に低迷している。このことに関連してたまたま昨日、レバンガ北海道の代表を務める折茂武彦氏(元レバンガの代表的選手)が北海道新聞に寄稿していた。それによると、資金的に豊富なチームは優秀な選手を獲得することが容易なためにどうしても上位を占める傾向があるという趣旨のことを寄稿していた。(このことを折茂氏は言い訳的に述べていたわけではない)私は同じような言葉をコンサドーレ札幌の前社長の野々村芳和氏から何度も聞いたことがあった。だから「あゝ、プロバスケットにおいてもプロサッカーと同じような事情なのだなぁ」と思いながら読んだ。北海道は残念ながら大企業などは皆無で大きな資金的援助を得ることが難しい地域事情がある。折茂氏を先頭に企業としてのPR活動にも力を入れていると聞く。とても厳しい環境下にあることは承知の上だが、成功の道を歩みつつあるコンサドーレのように地道な努力を積み重ねていただき、将来には力量の優れた選手を呼べるくらいの球団に成長してもらいたいと思う。

   

※ 試合結果を表示するスコアボードです。

   

※ 敗戦に肩を落とすレバンガ北海道の選手たちです。

 視点は変わるが、北海道に3Pシューターが不在、という点についてである。東京五輪で日本女子バスケットチームが銀メダルに輝いた要因は積極的に3Pシュートを狙いに行った点にあると聞いている。ことほど左様に、現代のバスケットにおいて3Pシュートは昨日の試合のように試合結果を左右するほど重要な戦術となっているようだ。バスケットボールの観戦の醍醐味は、厚い守備網をかいくぐり突破したり、素早いバスを通したりしてのゴールシーンが何より観ていて楽しく醍醐味を感ずる。それに比して3Pシュートは鮮やかさこそあれ、醍醐味のようなものを感ずることはできない。しかし、ルールの上では1ゴール3点を得ることができるプレミアムなプレーである。レバンガ北海道が光を見出すためには3Pシューターの発掘が急務であるように思える。しかし、信州の岡田選手のようなシューターはそうそう簡単には育てることは難しい注文なのかもしれない。あの正確性は選手の資質的なもののような気がしているからだ。だから 3Pシューターは育てるのではなく、スカウティングで発掘するか、資金的に豊富になって3Pシューターを移籍で獲得することを考えるか、ではないだろうか?現代バスケットボールのおいては確率の高い3Pシューターがチーム内にいるか否かはチーム成績を左右する大きな要因となるのではないか、ということを昨日の試合を観ながら考えていた私だった…。                  


残念!でも天晴れロコ・ソラーレ & カーリングの魅力

2022-02-20 17:01:37 | スポーツ & スポーツ観戦

 う~ん。残念!北京冬季五輪カーリング女子決勝で英国と対戦した我がロコ・ソラーレは善戦むなしく3対10と敗れて銀メダルとなった。しかし、前回大会以上の戦績を残した彼女らは天晴れである。また、改めてカーリングの魅力に触れた今大会だった。 

 連日、サブテーマのような形で書き綴ってきた《北京冬季五輪》であるが、今日は最終日なのだからメインテーマとして取り上げることにした。そう思いついたのも、今大会におけるロコ・ソラーレの大健闘があったからだ。

    

 ロコ・ソラーレ…、それは彼女らの出身地である常呂から太陽のように輝きを持ったチームになるようにと名付けられたチームだという。チーム名そのもののように、彼女らはカーリング・シート内で、いつもどのチームよりも明るく振る舞い、太陽のように輝きを放っていた。喜怒哀楽を前面に出し、カーリングを心から楽しんでいる様子が画面を通して伝わってきた。苦戦続きだった決勝戦でもそれは変わらなかった。そこが彼女らの魅力であり、凄いところだと思った。

 結果は彼女らが思い描いていたメダルの色とは若干違ったかもしれないが、堂々たる世界第2位である。スコア的には3対10と惨敗である。スキップの藤沢選手が試合後のインタビューで何度も「悔しい!と連発したそうだが、その思いも分かるし、その思いを率直に口にする彼女らの素直さもロコ・ソラーレの魅力である。

 ロコ・ソラーレは2月10日に予選リーグで対スウェーデン戦以来、決勝戦まで全11試合、1試合の試合時間が平均2時間30分くらいだという。そうすると、ロコ・ソラーレの選手たちは実に27時間30分も戦い続けていたことになる。その間、カーリングファンはもとより、多くの人々が健闘するロコ・ソラーレにTV画面を続けて声援を送り続けた。その声援に彼女たちは素晴らしい戦績で応えてくれた。そう考えると彼女たちに今大会のMost Memorable Players(最も印象的な選手たち)の称号を贈りたいと思う。ありがとう!ロコ・ソラーレ!!! 

      

 ところで、今大会の女子カーリングはカーリングの奥深さ、難しさを改めて私たちに教えてくれたと思う。というのも、決勝戦の日本と英国は現在の世界ランキングが第7位と第8位のチーム同士である。一方、3位決定戦を争ったのはランキング第1位のスウェーデンと、第2位のスイスだったのである。ランキングはこれまでの戦績を数値化したものだと思うが、今大会ではランキングの立場が完全に逆転した形である。それほどカーリングの場合は絶対王者というのは存在しないスポーツなのかなと思える。つまりチーム間に例え実力差があったとしても、一つ一つの試合においては簡単にその立場が逆転するところにこのスポーツの奥深さ、難しさが存在すると言えそうだ。

 カーリングはまた、その動きがけっして激しくもなく、速くもない。そうしたことから「カーリングはスポーツなのか?」という疑問を呈する向きがあるという。とんでもない誤解である。あのストーンを投ずるときの選手たちのフォームを一般人はけっして真似することができない。私も過去に何度かカーリングを楽しんだ(?)ことがあるが、とてもとてもあのようなフォームを真似することができなかった。しかもあのフォームで、重さ20kg前後のストーンをおよそ40m先のハウスに向かってmm単位でストーンを運ぶ(滑らせる)繊細な技術が求められるのである。力強く、繊細な運動神経が要求されるスポーツなのである。

 それと共にカーリングに要求される能力として、氷を読む力である。氷の状況は見ている我々には分からないが氷の状況は刻一刻と変化しているらしい。その状況を的確に読みながら戦略を立てる必要がある。さらに、カーリングの場合は選手たちがストーンを投ずる度に氷上のストーンの位置は一変する。その状況を読み、その時々の戦術を練らねばならない。そこで必要になるのが選手同士のコミュニケーション能力である。カーリングにはこの他にも私が知らない能力が求められているのかもしれない。というように、カーリングは、人間のあらゆる能力を必要とし、求められるスポーツと言えそうなのである。

 よくカーリングは「氷上のチェス」とも称されるが、人並み以上のスポーツ神経の良さを求められながら、そのうえ戦略・戦術に優れた者でなければ選手として適していないといえそうだ。そうしたあらゆる能力を高めたうえでも、ジャイアント・キリングが起こり得るスポーツなのだ。なんとも魅力たっぷりのスポーツであることを私は今北京冬季五輪でロコ・ソラーレの快進撃を追いながら再認識することができた。

※ 掲載写真は2枚ともウェブ上から拝借しました。


北京五輪パブリックビューイング

2022-02-06 17:16:52 | スポーツ & スポーツ観戦

 「NHKの280インチの大画面で高梨選手の金メタルジャンプを目撃しました!」と報告するつもりだったが、残念な結果となってしまった。昨夜、NHK札幌放送局でおよそ30人の方々と静かに声援を送ったのだが…。

   

※ 北京冬季オリンピックジャンプ競技の高梨選手のフォームです。2回目には意地の100mジャンプでした。

 昨夜午後6時30分からNHK札幌放送局の8K公開スタジオにおいて、北京五輪の女子ジャンプ競技を観戦のためのパブリックビューイングが開催された。入場券を入手して会場に行ったところ、すでにおよそ30人の方々が集まっていた。

   

※ カメラで写せた唯一の写真で、NHK札幌放送局の前に立てられたパブリックビューイングを知らせる看板です。

 競技開始は7時30分からだったが、その前に小山凌アナウンサーの司会によって、元スキージャンプ選手の山田いずみさんがジャンプ競技の特徴、観方などを説明するトークセッションが設けられていた。ジャンプ競技については、私もかなりテレビなどで知識を得ていたので、特に耳新しいことを得たわけではなかったが、改めてジャンプ競技が選手同士の戦いであるとともに、風との闘いでもあることを山田さんの言葉から再認識することができた。

     

   ※ NHK札幌放送局の小山アナウンサーです。     ※ 元女子ジャンプ競技選手の山田いずみさんです。

 280インチの画面はさすがに大きい。目の前に大きな画面が迫ってくるようで、選手たちの迫力あるジャンプを楽しむことができた。

 競技の経過そのものについては私が説明するまでもなく、高梨選手をはじめ、他の日本人選手3名も願っていたような成績を挙げることはできなかった。

 高梨選手は結局、メダル一歩手前の第4位という結果に終わったのだが、十分に準備し、精一杯の戦いだったと思えた。冷静に考えると、高梨選手が金メダルに最も近づいた大会はソチ大会だったのではないかと思える。当時の彼女は世界と戦うワールドカップにおいて向かうところ敵なしの状況だったが、大会本番では風のいたずらも手伝い金メダルどころか第4位という残念な結果に終わった。その頃はまだ女子ジャンプの普及度も今ほどではなく、高梨選手の技術が圧倒していた時代だった。

 その後徐々に競技も普及し、体格の良い外国人選手の台頭もあり、それほどたやすくは勝てない状況となったが、それでも高梨選手は健闘していた。そして迎えた2018年の平昌大会、ここでも金メダルを期待されていたのだが、結果は銅メダルだった。

 彼女が苦戦するようになった理由の一つは、彼女の身長が152cmと女子選手の中でも小柄のためにスキー板の長さが制限を受けて短いことがある。(正式には身長だけではなく、体重なども加味されて長さが指定されるようだ)板が短ければ浮力も当然小さくなり、ジャンプには不利である。また、筋力も劣るためスキー操作が難しいことにも繋がってくる。さらには高梨選手の最大の特長であるスキー技術も外国人選手が学習することによって、技術差が縮まってしまったことが挙げられる。

 こうした不利な条件の中で彼女は懸命に闘ってきたのだ。伝えられるところでは、平昌大会以降、自分のそれまで積み上げてきたジャンプ技術を一度解体し、再びより高度な技術の構築に努めたという。

 そうした努力、工夫を重ねて迎えた北京大会だったのが…。北京は高梨選手に残酷な結果をもたらすことになってしまった…。

 試合を終えた彼女のコメントが痛々しい。「結果で恩返しできなかったのが、悔やまれるところです。私は頑張って当たり前だった。頑張っても結果を残せなければ意味がないので、私の頑張りが足りなかったんだと思う」と…。そんなことはない。彼女は十分頑張ったし、その頑張りが尊かったと私には思える。彼女の努力を知っている私は、心から彼女の努力を讃えて「ご苦労さん。あなたの努力は素晴らしかった。ゆっくり休んでください」という言葉を送りたい。

 彼女は今後について次のように語っている。「結果を受け入れているので、私の出る幕はないのかもしれないな、という気持ちもあります」と…。彼女はこの大会を期に第一線を退くことになるかもしれない。

 もし、そうした事態になったとしても彼女は別の世界できっと輝く存在になれる女性のような気がしてならない

《北京冬季五輪寸評》

 男子スキーモーグル競技の優勝候補と目された堀島行真選手が予選15位と出遅れて心配されたが、その後は実力を発揮して銅メダルを獲得し、日本選手最初のメダリストになったのは見事だった。

 その他の競技も次々と始まっているが、昨日、今日と女子ジャンプ同様思うような結果とはなっていないようだが、これからの健闘に期待したいと思う。

※ 残念ながら会場内でのカメラはNGだった。そのため掲載した写真はウェブ上から拝借した。


サウジアラビアを一蹴 WCアジア最終予選

2022-02-02 16:10:44 | スポーツ & スポーツ観戦

 またまた日本が誇るRW伊東が躍動した!首位を走るサウジアラビアに対して2対0のスコアは完勝と称したいくらいだ。しかし…。WC本選出場が近づいたとはいえるが、まだまだ予断は許さない。

     

 森保一監督はほんとうに頑固な監督であると、この試合で思い知らされた。私も疑問を呈し、多くのサッカー評論家などからその起用を大批判されているベテランの CFの大迫、左SBの長友を、この試合でも躊躇なく(?)なく先発に起用した。「躊躇なく」と表現したが、森保監督の中では相当に逡巡した結果なのだろうけど、森保監督の胸中では彼らに対する信頼は揺るいでいないということだろう。そして森保監督は見事に結果で答えた形となった昨夜の対サウジアラビア戦だった。

     

※ 前回、対中国戦と先発イレブンは全く同じ。前回の写真をもう一度使いました。

   

 この対戦においても輝いたのは伊東純也” だった。前半32分、相手DFを振り切ってのセンターリングは伊東選手の真骨頂で、彼の俊足が南野選手の先取点に繋がった。それ以外の場面でも伊東選手は前半に自らシュートに持ち込んだシーンが2度ほどあり、まさにキレキレの状態だった。

 その好調さは後半にも持続し後半開始5分、その起用が話題の長友選手からのパスを胸でトラップし、右足を一閃すると見事なクリーシュートが相手ゴールに突き刺さった。これで伊東選手はWC最終予選4試合連続ゴールである。このシーン、あまりにもビューティフルゴールだったため、伊東選手自身の驚きの表情が印象的だった。

   

※ 自らのクリーンシュートに驚きの表情を見せる伊東純也選手です。

 ここまで記述してくると昨夜の対戦は日本にとって順風満帆だったように思えるが、実際はそうでもなかったと私には映った。試合全体でのボールポゼッションはサウジアラビアが圧倒していた試合だった。データを入手できていないが、おそらく60%近くはサウジアラビアがボールを支配した試合だった。ただサウジはボールを支配すれどもシュートに持ち込む場面が少なかった。その要因は日本が誇る中盤の3人、そして若干心配されたSBの二人が守備的ブロックを形成してサウジを容易に中に入れさせなかったことが相手ゴールの状況を作らせなかったということが言えると思う。

   

※ ヒーローインタビューを受ける伊東選手です。前回ブログと同じような写真となってしまいました。

 こうして日本は今回のホーム2戦に連勝して、描いていたとおりの結果を残すことができた。これでここまでの最終予選の対戦戦績が6勝2敗、得失点差+6で勝ち点18として、勝ち点19のサウジアラビアに次いで2位の位置をキープした。昨夜、勝ち点差1の僅差で3位に付けていたオーストラリアが対オマーン戦を引き分け、勝ち点1しか積み上げることが出来ず勝ち点15となり、日本と3点差となった。

   

 日本の残り試合は、3月24日のアゥエイでの対オーストラリア戦、3月29日のホームでのベトナム戦を残すのみとなった。戦力的に見て対ベトナム戦は問題なく勝利を計算できると思う。問題は宿敵オーストラリア戦である。

  この試合、勝利するとWC出場決定、引き分けだと最終戦に有利な状況で臨める。しかし、もし敗戦となると勝ち点で並ぶが得失点差でオーストラリアが2位に浮上し、日本は大ピンチである。WC本選出場を賭けた大一番である。

 私が考える日本にとっての好材料は、オーストラリアが前回、前々回のような圧倒的強さが影を潜めている点である。以前はケーヒルという素晴らしい点取り屋が存在したが、今回はそうした傑出した存在を欠いているところが日本にとって好材料のように思われる。

 一方、心配な材料としてアゥエイでの戦いという点はけっしてプラス材料とはならない。さらに、日本代表の大半の選手が今やヨーロッパを主戦場としている点である。ヨーロッパ在籍の選手たちはチーム事情もあり対戦の3日前くらいに集合するのが精いっぱいのようだ。長い距離を移動するための体力面、さらには短い時間での戦術の練り上げ、すべてが難しいところが心配である。事実、今予選においても移動後の最初の試合のパフォーマンスには心配な点が多かった(WC最終予選り第1戦、対オマーン戦はそのことが如術に現れた対戦だった)

 アゥエイということに関しては、ヨーロッパで戦う選手たちは毎試合がアゥエイのようなもので精神的にたくましくなっていると信じたい。また、体力的、戦術的に不利な点についてもこれまでの経験を糧として乗り越える以外に道はない。

 対オーストラリア戦、第1戦に続いての勝利を!、最低でもドロー(引き分け)を信じて3月24日を待ちたいと思う。


まずは安堵、しかし次が…、WCアジア最終予選

2022-01-28 16:35:30 | スポーツ & スポーツ観戦

 昨夜の対中国戦、森保ジャパンは2対0とまずまずの結果を残し、まずはホッと安堵したというのが本心である。しかし、2月1日に行われる次戦の対サウジアラビア戦を考えると不安が頭をもたげてくる…。

     

※ 昨夜の対中国戦における日本のスターティングイレブンです。

 昨日の対戦が終わってから丸一日が経とうとしている。すでに様々な方々の戦評が公表されている中で、素人の私が述べることはないのだが…。ただ、私としてはWCアジア最終予選をこれまでずーっと追い続けてきたので、今回もまた私なりの観方を綴っておきたいと考えた。

   

※ 試合開始前の円陣を組む際、コイントスで遅れたゲームキャプテンの遠藤選手を待つイレブンです。

 昨日の対中国戦はスコアが示すとおり、あらゆる面で日本が中国を上回っていた、と見ることができると思う。ボールポゼッション率61%、シュート16本。対する中国のシュートはわずか2本、それも枠外である。ただシュート16本も放っていながら得点が2点とはちょっと寂しすぎる気もするのだが…。

 日本の得点2点に絡んだのは、いずれも今を時めくスピードスターのRW伊東純也選手だった。1点目は前半14分に彼のスピードが生き、ゴールライン際のボールに追いつきセンタリングしたとき相手DFのハンドを誘いPKを得た。PKそのものは大迫選手に譲ったものの、実質は彼が得たものだった。

   

※ ヒーローインタビューを受ける殊勲の伊藤純也選手です。

 2点目は試合の膠着状態が続いた後半16分、途中出場の中山選手のクロスに合わせて飛び込み、ヘッドで見事に2点目をゲットした。伊東選手以外にもチャンスは何度かあったのだが、いずれも決めきれることができなかった。

 日本のボールポゼッションが上回ったのは、中盤の遠藤、守田、田中碧の各選手が機能していたからだと見た。三人がテレビの画面上に良く顔を出していたことがそのことを良く物語っていた。

 心配された故障の吉田、富安に代わってSBに入った谷口、板倉の両選手の評価はお預けといったところか?中国がほとんど攻める形を作れない中での評価は難しい。次戦対サウジアラビア戦でどれだけ相手の攻撃を抑えることができるか、が問われるところだ。

 さて、その次戦であるが2月1日、同じ埼玉スタジアムに予選グループBでトップを快走するサウジアラビア戦である。これまで7戦して6勝1分けと負けなしと快走を続けている。対する日本はこれまで5勝2敗で第2位につけている。日本は対サウジアラビアに対して第1戦を適地で戦い、0対1で敗れている。その戦いを私のブログで振り返ってみたが、中国よりはるかに力が上だということが分かる。おそらくゴールのチャンスは限られるだろう。そのチャンスを決めきれるかどうか?反対にピンチの数も増えてくるに違いないが、そこで代役谷口、板倉がどれだけ凌ぎ切れるか、といった戦いになるように思われる。

 そのチャンスにおいてSFの大迫選手に期待がかかるのだが、残念ながら彼には往年の迫力がなくなってきたように思われる。昨夜の試合でも残念なシーンが見られた。同様にSBの長友選手の衰えも隠せないように見えた。ベテラン陣の安定さと、若手の勢いを天秤にかけ、ここらあたりの布陣を森保監督がどう配置するかも大きな見どころである。

   

※ 日本チームを率いる森保一監督です。

 いずれにしても藁にすがってでも勝利し勝ち点3を得たいところだ。最悪でも引き分けで勝ち点1は上積みしたい。というのも現在3位のオーストラリアが勝ち点1差で肉薄しており、得失点差では日本よりはるか上を行く。(得失点差 日本+4に対し、オーストラリア+9)そのオーストラリアと3月24日に適地オーストラリアでの戦いが待っているからだ。オーストラリア戦の前に勝ち点を上積みして心理的に優位な形でオーストラリア戦の望みたいものである。

   

※ 昨夜の第7戦を終えてのグループBの順位表です。オーストラリアの得点力が光ります。

 2月1日(火)夜7時固唾を飲みながら対サウジアラビア戦のキックオフを待ちたいと思っている。


懐かしのスキー in 札幌国際スキー場

2022-01-27 18:47:02 | スポーツ & スポーツ観戦

 遠い記憶を呼び起こすと、おそらく10数年ぶりではないだろうか?自宅から車で走ること約1時間20分。定山渓の山懐深くに展開する札幌国際スキー場で爽快な滑りを楽しんだ。しかし、同時に自らの身体の衰えも自覚させられた…。

   

 本日は木曜日。実は札幌国際スキー場はシーズン中の木曜日を「シニアデー」と称して、65歳以上のグランドシニアを1,600円で一日券を提供してくれている。「この日を利用していつかは」と思っていたのだが、今日は特に予定がなかったので行ってみることにした。

 「きっと今日はシニアの方々がゲレンデで目立つのではないか?」などと思いながら車を走らせた。自宅からスキー場まで約45km、雪道を走り1時間20分かかって国際スキー場に着いた。駐車場に着いて大型バスがずらーっと並んでいたのが意外だった。コロナ禍の中、本州の高校などが修学旅行に来ているはずもないのに…。

   

※ 札幌国際スキー場の事務所、売店、レストランなどが入るスキーセンターです。

 グランドシニア券を購入してゲレンデに出てみて、バスの謎が解けた。バスの乗客は地元札幌の中高生たちのスキー授業のためのバスだったのだ。よく見ると、それぞれの学校のゼッケンを付けた生徒や子どもたちがすごく目立った。私が目にしただけで中高生だけではなく小学生もいて、おそらく10数校がスキー授業をしていたようだ。それほど子どもたち姿が多いので、お年寄りの姿は目立たなかった。

   

   

 私はまず4人乗りのクワッド(リフト)乗り場に向かった。予想に反して乗り場には多くの人が列になってリフトを待った。後で分かったことだが、このクワッドのあるコースは初級者用の斜面で、スキー授業には好都合な斜面のために多くの生徒たちがリフト待ちをしていたせいだった。

   

   

 2本目から私はもっぱら8人乗りのスカイキャビン(ゴンドラ)を利用した。スカイキャビンは麓のスキーセンターから一気に山頂まで2,000mを長さで通じていて、山頂からは初級、中級、上級といろいろなコースを選んで滑ることができる。今の私の体力、技術では上級コースはお呼びでない。中級コースを主として滑ったが、コンディションは粉雪(パウダースノー)の上、コース幅が広いため気持ち良く滑ることができた。ところが!

   

   

※ スカイキャビンからゲレンデの様子を写しましたが、ご覧のようにゲレンデはスキーヤーで埋まっていました。

 ロングコースを気持ち良く、ほとんどノンストップで2本ほど滑り降りた時だった。スカイキャビンに乗った私はなんと肩で息をしているのに気付いた。たった2本滑っただけで身体が悲鳴をあげていたのだ。情けないが仕方がない。これが今の私の現状なのだ。私はスタートが遅かったので、他のスキー客が昼食を摂る時間帯はスキーを続けて、その後に昼食を、と考えていた。しかし、その後1本滑ったところが限界だった。

   

 昼食で息を吹き返した私は、午後できれば7本滑って全体で10本滑ることができればと考えていた。しかし、それは叶わぬ願いだった。午後も3本滑ったところで限界だった。大腿部に疲れが溜まり、スキーの抑えが効かなくなっていた。無理をして怪我などしたら笑いものである。潔くスキーを外した。

 木曜日以外はグランドシニア(65歳以上)の一日券は3,100円だという。(一般は4,600円)今の私には木曜日以外は高額過ぎる。チャンスがあれば、もう一度くらい木曜日に来てもいいかな?と思っているが、はたして???

今夜はWC最終予選 対中国戦だ!

 今夜はWC最終予選の対中国戦が埼玉スタジアムで行われる。予選突破のためには勝利が必須である。日本の守備の柱である吉田、富安の二枚看板が怪我で欠場なのが気にかかるが、それを乗り越えなんとか勝利をもぎ取ってほしい。そして明日のブログで歓喜(安堵)の投稿をどうしてもしたい。間もなくキックオフである。


ノスタルジックスキー in 藻岩山スキー場

2022-01-19 16:37:23 | スポーツ & スポーツ観戦

 実に〇十年ぶりに藻岩山スキー場でスキーを楽しんだ。〇の中には三とか、四の数字が入るくらい昔である。雲一つないド快晴の中、当時を懐かしみながら心ゆくまでスキーを楽しむことができた。(とは云っても年相応になのだが…)

    

※ 昼食を摂ったレストランの窓からファミリーゲレンデを写したのですが、閑散とし過ぎていますね。

 以前から近くにあるのに、何故か近づき難かった(?)「藻岩山スキー場」だった。何故だろうか?と考えた時、毎年のように訪れる「盤渓スキー場」に比べると、近くとはいえ街中を通っていくことに抵抗があって、心理的に遠くに感じてしまっていたようだ。

 今日は朝から青空が広がり、絶好のスキー日和と考えて念願だった「藻岩山スキー場」に向かった。我が家からわずか7Km、しかし街中を通ることもあり時間は約30分もかかった。スキー場から遠い方には「なにを30分くらい」と思われるかもしれないが、私にはこの時間が遠く感じられたのだ。(盤渓スキー場は街中を通らないため20分程度で行ける)

 「藻岩スキー場」はシニアに優しい。60歳以上の5時間券が2,500円。これが70歳以上になるとわずか1,500円で5時間も楽しめる。

   

※ 藻岩山スキー場のコースマップです。私には南斜面の「パノラマコース」がお好みでした。

 私はまず1本、足慣らしに初級コースのファミリーゲレンデで滑った後は、全てその奥に設けられている中・上級コースを楽しんだ。とは言っても、上級コースは今の私には難敵だった。初級、中級コースでは余裕をもってそれなりの滑りができるのだが、上級コースに入るとまったく余裕がなくなり、初心者のような滑りしかできなくなる。自分の衰えを自覚せざるを得なかった。したがって、上級コースの「うさぎ平」、「からまつ」、「ダイナミック」の各コースは1本だけ体験として滑り降りてきたが、他は「パノラマ」、「クリスタル」の中級コースを主として滑って楽しんだ。

   

※ 藻岩山スキー場の名物「うさぎ平」コースの入口です。この先は鋭く落ち込んでいます。

   

※ 上級コースの一つ「からまつ」コースを撮ったところです。最大斜度38度とのことです。

 スキーが冬の楽しみの首座から転落して久しい。今日は平日ということもありスキー場は閑散としていた。私が盛んにスキーに取り組んでいた〇十年前の札幌のスキー場はリフト乗り場の前に長蛇の列が出来ていたのが懐かしい。閑散としていたために、私は広々と整備された「パノラマコース」をノンストップで何度も何度も滑り降りることができた。

   

※ 私が好んで滑った「パノラマ」コースです。こちらは最大斜度が24度ですね。

   

※ 広々とした「パノラマ」コースです。コースの向こうに住宅街が広がって、いかにも都会の中のスキー場です。

 リフト券は5時間券だったが、私は10時半から滑りはじめ、昼食を挟んで午後2時前にスキーを外した。実質3時間程度のスキーでまだまだ時間があったが、今の私には目いっぱい楽しんだ思いだった。もう1本行こうかな?と思ったが、昔覚えた全日本スキー連盟が主唱した「スキー安全10則」に「もう一本、そこがスキーの止めどころ」という標語を思い出し、スキーを外すことにした。

 ところで〇十年前ということだが、私がスキーに夢中になっていたのは20代中盤から30代中盤のおよそ10数年である。その頃は道東に住んでいたのだが、冬になると北海道内の主なスキー場をあちこちと巡って歩き、ニセコ、富良野、旭川はもちろん札幌市内のスキー場もほぼ全てのスキー場を巡ったので「藻岩山スキー場」の「うさぎ平」も懐かしかった。であるから、それはもう四十数年前ということになる。

 その頃のことで一つの思い出がある。当時はスキーブームの真っ最中で、熱の入ったスキーヤーは冬だけでなく、夏でさえもスキーができることを望んだ。それに応えるため各地のスキー場では、グラススキーとか、ローラースキーとかいろいろ工夫して夏の間もスキーヤーを満足させようとしていた。そんな中、「藻岩山スキー場」では現在のファミリーゲレンデのところに表面に突起の付いたプラスチック板を並べて、冬用のスキーで滑らせるコースを作って滑らせていた。そのニュースを聞いた私は札幌まで遠征して体験したことがあった。(それは雪上のスキーの感触とは違ったものだったが…)

   

※ 夏のスキー場は写真の左側のところに敷設されていたように記憶しています。

 今日、その当時のことを憶えている人がいないかと、数人のスキー場関係者やシニアのスキーヤーに尋ねてみたのだが、誰もそのことを記憶している人がいなかった。あるいはあのことは幻だったのだろうか?いや私は確かに藻岩山スキー場で夏に滑ったのだ。

 夏のスキーはスキーブームの終焉と共にどこのスキー場でも長くは続かなかった。藻岩山スキー場の夏のゲレンデもあるいは1~2年の短い運命だったのかもしれない。しかし、その夏スキーを体験した人は必ずいるはずである。もし、記憶のある方、あるいは伝え聞いている方がいらっしゃったらぜひ教えていただきたい。「あの夏スキーができたのは何年ごろのことだったのか?」教えていただければと思います。              


初滑り in  ban.K

2021-12-21 16:44:15 | スポーツ & スポーツ観戦

 遅まきながら今日、近間の盤渓スキー場で今シーズンの初滑りをした。爽快な初滑りを思い描きながらスキー場に向かったが、実際は自らの体力低下を思い知らされるほろ苦い初滑りでもあった…。

   

 先日の大雪で市内からほど近い盤渓スキー場もようやくオープンを迎えた。そのニュースを聞いて「それでは、足慣らしに…」と思いスキー場ら向かった。

 本格的なオープンにはまだ積雪量が足りないとみえ、6本設置しているリフトのうち稼働していたのは中央の2本だけだった。スキー客も平日ということもあってか、疎らだった。天候は曇り空から雪が舞い落ちていた。

   

※ 写真にスキーヤーが写っていないところがやや寂しいです。

 足慣らしということもあり、私は2時間も滑れば十分だろうと2時間券(シニア2,640円)を購入した。4時間券でも料金はそれほど違わないのだが、4時間も滑る自信はなかった。

  

※ 私が本日滑ったコースは、センターAコースとオレンジコースです。

 まずは初滑りの最初ということで、山の中腹までの短いリフトに乗り、中斜面を滑ることにした。一本目とあってやや不安定ながらも、昔取った何とやらで難なく中斜面を滑り降りた。ホッとしたのも束の間、緩斜面に移ったところでアクシデントが発生した。曇り空だったこともあり斜面が良く見えていなかった。私の前に突然(といった感じで)大きなギャップが現れて、私は為す術なくもんどりうって転倒してしまった。以前ならシーズンの中で転倒など数えるほどしかなかったのに、いきなりの転倒はかなりのショックだった。

 態勢を立て直して再び滑り始めると、なんと一帯はスキー場が人工的に凹凸を造った斜面だったようだ。初滑りはスキー場の地形をよく観察せねばならないことを教えられた思いだった。そしてその中斜面でもう一本滑ってから、メインの山頂まで延びるメインリフトで上った。

 まだまだ降雪が十分ではないようで滑走可能なコースはオレンジコースだけで、そこも一部は土面が出ているところもあった。斜面もやや斜度がきつくなったので慎重に滑り降りることに徹した。とてもスピードを楽しむ余裕などなかった。その斜面を2本滑り終えたところで、私はある異変に気付いた。たった2本(先の中斜面を加えても4本)滑っただけで、肩で息をしているのに気付いたのだ。どうやら私の体力の限界が近づいている兆候だと悟った。

   

 無理はできない。それでもそれから休み休みなんとか2本を滑るのがやっとだった。2時間券をかなり残したまま今日の初滑りを終えた。

 最近はいろいろな場面で体力の衰えを自覚させられているが、本日の事態もかなりのショックである。さて、今シーズンは何度スキー場に向かう気力が湧いてくるだろうか??         


最後まで魅せてくれた今年の日本シリーズ

2021-11-28 18:15:12 | スポーツ & スポーツ観戦

 結局、今年の日本シリーズはヤクルトスワローズが4勝2敗で日本一を決めたのだが、昨夜の対戦も延長12回、5時間強に及ぶ接戦は最後の最後までどちらに勝利が転がり込むのか分からない手に汗握る接戦だった。今年の日本シリーズは最後まで魅せてくれた接戦・熱戦だった。

 正直に言って一昨日に日本シリーズの話題を投稿した際に、「もう野球の噺を取り上げなくてもいいかな?」と思っていた。しかし、昨夜のようなしびれる試合を見せつけられると、取り上げないわけにはいかなくなった。

   

 本当に今年の日本シリーズは最初から最後まで野球ファンを魅了し続けた対戦だったのではないか。例えひいきのチームが敗れたとしても…。

 第5戦までの戦いについては一昨日の投稿でざーっと振り返ったので、ここでは昨日の対戦にだけフォーカスして振り返ってみたい。

 まずはオリックス先発の山本投手が魅せた!オリックスの絶対エース山本はけっして絶好調だったとは思えなかった。3回、4回と連続して先頭打者に2塁打を奪われピンチになった。しかし後続を難なく切って取るところに凄みを感じさせた。5回にはヤクルト塩見に詰まりながらのヒットを許し先制点を献上したが、失点はそれだけ。結局9回を1失点で乗り切った。沢村賞投手のプライドを見せつけたような投球だった。

 一方、ヤクルトの先発高梨も粘り強い投球をみせた。変化球を効果的に操り、オリックス打線に的を絞らせなかった。しかし、ヤクルトが先制した裏の5回裏、オリックスは1番福田がこれも詰まりながらのヒットで同点とした。するとヤクルトベンチはスパッと投手交代でスアレスをマウンドに送った。

   

 このあたりが昨夜の勝負の綾だったのではないだろうか?ヤクルトは第一戦で先発し好投した奥川投手の先発を回避した。奥川がまだ高卒2年目ということで中6日では負担が大きいと判断し、6人目の先発投手として高梨を送っていた。つまり高津監督としては高梨が5回途中までよく凌いだと評価し、信頼のおけるリリーフ陣に後を任せたのだろう。事実、その後スアレス、清水がそれぞれ2回、さらには田口を挟み、最後は守護神マクガフをもってきたのだろう。私は高津監督がマクガフを起用したことに疑問符を抱いた。マクガフは初戦で逆転を許し、第6戦では決勝点となるホームランを喫している投手である。しかし、高津監督は彼を信頼してマウンドに送ったところに高津監督の潔さを見た思いだった。

 一方、オリックスは9回を投げ切った山本に継いで、平野→能見→比嘉→富山と繋いで最終12回を迎えていたが、12回からマウンドに立った富山が簡単に二死を取った後に中島監督は吉田(凌)をマウンドに送った。中島監督のこの判断は何だったのだろうか?吉田(凌)は確かに1・2戦では好救援を見せていたが、第3戦には決勝2ランを浴びるなどこのシリーズでは危うさも覗かせていたのに敢えて2死から交代する必要があったのだろうか?迎えた塩見にレフト前にもっていかれ、暴投で2塁を陥れた後にヤクルトの代打の切り札川端が執念でレフト前に運び、虎の子の1点をもぎ取り、その裏をマクガフが抑えて日本一に輝いた。   

 1点をめぐる攻防は片時も目を離せない戦いである。いつ一発が出るのか? 致命的なエラーは出ないのか? 一瞬で勝負の行方が左右される試合展開は痺れるような緊張感の中で終始した。

 正直言って、今シリーズは投手陣に比べて攻撃陣が両チームともにやや不振だったことが、このような接戦続きの日本シリーズとなったようにも感ずる。そのためにシリーズのMVPが誰になるのか、NKK・BSの解説を務めた早川氏も候補の名前さえ明らかにしなかった。それくらい選考は難しいものになったと想像される。結果的は、ヤクルトの投手陣を好リードした中村悠平捕手が選出された。

   

 投手をリードするという捕手の役目は、素人が外から見ているだけではその重要性がなかなか分からない。解説の方々が中村のリードぶりを褒める場面が多々あったので、中村捕手のMVP選出には私も納得である。そんな中村捕手のリードで象徴的な場面があった。どの試合、どの場面だったかは忘れたのだが、中村のサインに投手が首をふった後の投球が見事にはじき返された場面があった。中村捕手の打者を見る目の確かさを見た思いだった。どちらといえば、一見地味な中村選手がMVPに選出されたことは今季日本シリーズの全戦が接戦続きになったことを象徴していたとも思えた。

      

 久しぶりに痺れる試合を楽しめたこの一週間だった…。

 

※ 本日も掲載した写真は全てウェブ上から拝借しました。


今、プロ野球日本シリーズが面白い!

2021-11-26 15:01:12 | スポーツ & スポーツ観戦

 全7試合という短期決戦がそうさせるのだろうが、プロ野球日本シリーズはこれまでも数々の名勝負があった。それらの過去の名勝負に優るとも劣らないスリリングで観ている者にとって非常に面白く楽しい日本シリーズが今展開されている。今、ヤクルト vsオリックスの対決から目が離せない。

   

 今年の日本シリーズの対決がヤクルトとオリックスと決まった時に、私はそれほどの期待は抱いてはいなかった。ただ、アメリカ大リーグの方式をそのまま導入したとはいえ日本シリーズ進出チームを決めるクライマックスシリーズの方法は球趣を盛り上げる方法としては素晴らしい方式だと思う。

 スポーツ好きの私としては、クライマックスシリーズからほとんど逃さずにTV中継で観戦を続けてきた。その結果、ヤクルトもオリックスも対戦相手を圧倒して(両チームともに3勝1分で)勝ち上がってきたことが印象的だった。

       

 11月20日から始まった今年の日本シリーズは連日接戦、熱戦が続いている。

 第1戦からスリリングな激闘が始まった。9回を迎えて3対1とヤクルトがリードして勝利をものにしたかな?と思えた最終回にオリックスは劣勢を見事に跳ね返し4対3と大逆転で勝利した。

 第2戦はオリックス宮城、ヤクルト高橋の若手の両投手の息詰まる投手戦が展開されたが、ヤクルト高橋がリーグ戦でも見せたことのない完封勝利をやって2対0で投げ勝った。

 場所を東京に移した第3戦は、逆転に次ぐ逆転と試合が激しく動いた末にヤクルトが5対4で制した。

 続く第4戦はヤクルトの41歳のベテラン石川投手が抜群の冴えを見せ、これまたヤクルトが2対1で競り勝った。これでヤクルトは3勝1敗として日本一に王手をかけた。

 そして昨夜の第5戦である。ヤクルトが先制するも、オリックスも粘り強い攻めで追いつき、6、7、8回と連続得点して8回表を終わって5対2としてこの日は「オリックスの勝利」と思ったのだが、これまで不振だったヤクルト山田選手が起死回生の3点本塁打をレフトスタンドに叩き込んだ。この一発には観ていた私も鳥肌が立った。「今年のヤクルトは強い!」と…。しかし、その後がいけなかった。このシリーズ初戦でも最終回に抑えで登場して相手に3点を献上して逆転負けを喫したマクガフ投手が同点で迎えた9回に登場し、相手ジョーンズに一発をくらい万事休すだった。

   

※ 両チームの顔とも言うべき存在のヤクルト・村上選手とオリックス・山本投手です。

 それにしても第2戦の2点差の試合を除いて、他は全て1点差という僅差の凌ぎ合いが続いている今シリーズは観ていても緊迫感が半端なく、ドキドキワクワクの試合観戦が続く。これで対戦成績はヤクルトの3勝2敗で場所を神戸に移して明日からの残り2戦で雌雄を決することとなった。

 こうした好試合の連続となっている第一の要因は両チームの投手陣の健闘にあると見ている。ヤクルトの奥川、高橋、石川、オリックスの山本、宮城、山崎、等々好投手が目白押しである。

 第6戦・7戦は、両チームともに1戦・2戦に登場したエース級の登板が予想される。どちらに転ぶか、まったく予想できない今後の戦いであるが、今年最後のプロ野球の戦いを楽しみたい。

※ 掲載写真は全てウェブ上から拝借しました。