猥雑さの中に混沌とした表情を見せてくれたハノイは、まったく別の表情も私たちに見せてくれました。
7月9日、対カタール戦当日、私たちツァー一行は午後3時過ぎ会場である国立ミーディン競技場にマイクロバスで向いました。
競技場はハノイ市郊外にあるということでしたが、郊外に向かうにしたがい道路幅が徐々に広がってきました。気づくと道路の中央にはグリーンベルトさえ整っています。狭隘の極にあるような市内の道路とは雲泥の差です。
窓外の風景も変わってきました。建物が洋風化し、街の様子がやはり市内とは段違いなのです。マンションのような建物もところどころに目に付いてきました。
ガイドによると辺り一帯は最近開発が進んだ地域で、富裕層が集り新市街が形成されてきたとのことでした。沿線にはAPECの会議が開かれたという国際会議場も威容を誇っていました。
そうした一角に、2004年に建設したばかりのミーディン競技場がありました。この競技場も写真のようになかなか立派なものでした。
ただ、少々尾篭な話になりますが、トイレ事情だけは新しい施設に不似合いなものでした。男性の小便所はいわゆる仕切りのない日本の昔のJRのトイレのようでした。また、女性の方たちも渋い顔をしながらトイレから出てくるところをみると、かなり衛生状態が悪かったのではと想像されます。
そうしたちぐはぐはところどころで散見されるものの、ハノイはかなりの勢いで変貌を遂げつつある姿を私たちは垣間見ることができました。
ベトナムは今、世界が注目するBRICs4ヶ国に続き、経済的な発展を遂げようとしているVISTA5ヶ国の一つです。
私が得ている情報では、その優秀な国民性と安価な労働力を求めて日本資本が中国からベトナムにシフトしているとも聞きます。
近い将来、大きく発展し変貌を遂げるであろうという予感を十分に感じさせてくれる今回のベトナム行でした。
※ VISTAとは、ベトナム、インドネシア、南アフリカ、トルコ、アルゼンチンの5ヶ国を指している単語です。
※ ほんのちょっと、それも一瞬だけ垣間見たハノイのことを語ってきました。それはまったくもって表層的な見方だと思っています。そうしたことをご理解いただきながら私のレポートをお読みいただきたいと、レポートの最後になってお願いしました。