謎のある医者を演ずる笑福亭鶴瓶ははまり役という感じで、相手役の若い瑛太は若さを前面に押し出してそれぞれ好演し、さらには彼らを取り巻く演技派の人たちによって心のひだを描くドラマに仕上がりました。
「鶴瓶噺~ディア・ドクターバージョン」を聴いた者として映画を観ないわけにはいきません。
札幌市内では二館同時封切りでしたが、まだ足を踏み入れたことのなかった「シアター・キノ」に行ってみることにしました。(場所はこちら⇒)
シアター・キノはシネコンなどと違い、小規模の映画館ですが良質の映画を上映することで映画通から支持されていると聞く映画館です。(今回レポートを作成するために調べたところ市民が出資し、NPOが運営する映画館だということが分かりました)
映画館は狸小路6丁目のビルの2階にあり、定員60名と100名の2館を擁する映画館です。(私たちが入ったのは定員60名の方だと思います)
狭いエントランスには次の上映開始を待つお客さんが入場順を示すカードを持って入場を待っていました。
さて、肝心の映画です。
とある田舎で医師資格のない伊野(笑福亭鶴瓶)が土地の人たちから名医として絶大の信頼を得ているのですが、不安との葛藤の中でドラマが展開されていくという内容です。
一つのセリフ、一つの表情の裏に微妙な心理の綾が描かれているという映画は、私のような鈍感な人間にはいささか疲れる映画ではあったのですが・・・。
誰もが嘘をついたがゆえに、良心の呵責に悩まされるという体験をもっていると思われますが、そのあたりの心理を若き天才・西川美和監督は見事に描ききっていたのではと私には思われました。
「劍岳 点の記」とはまた違った魅力に満ちた一本だったように思います。
このところちょっと映画づいてしまった田舎おじさんでした。(でも今のところここまでですが…)