クラークシアター2010で「禁じられた遊び」を観た。1952年公開というから半世紀以上前の映画である。しかし名作は時を経ようとも十分に見応えのある映画だった。
今年のクラークシアターで鑑賞する4本目の映画が「禁じられた遊び」だった。
時系列的には「地球交響曲 第七番」、「森と水の庭・ウトナイ」の2本の映画が先なのだが、この2本の映画については腰を据えて述べてみたいと思い、「禁じられた遊び」を先にレポートすることにした。
映画「禁じられた遊び」は1952年のヴェネチア国際映画祭で金獅子賞(最高賞)を受賞しているが(ちなみに一年前には黒沢明監督の「羅生門」が受賞)、あまりにも有名な映画のために多くの人が鑑賞した経験があると思われる。
ストーリーはこちら(⇒)をご覧いただくとして、私の感想的なことをレポートすることにする。
この映画の根底には監督・脚本のルネ・クレマンの戦争を批判する思いが流れていると聞いていたが、主人公の幼き少女ポレットが戦争によって両親と引き裂かれてしまった状況で展開される映画です。
そうした状況で出会った少年ミッシェルと二人で教会や墓地から十字架を集めるというやってはいけない遊びをしてしまう。
しかし、ある解説文では「本当の『禁じられた遊び』とは、大人たちが起した戦争ではないか。ルネ・クレマンはあどけない子どもたちが『死』を遊戯としている姿を描くことで、戦争によってより大きな『死』を争っている大人たちを批判している映画である」と解説しています。
なるほどと納得する解説です。
それにしても少女役のブリジット・フォッセー、少年役のジョルジュ・ブージュリーの二人の演技力が素晴らしい!まったく違和感なく私は映画に没頭することができた。
映画の主題曲「愛のロマンス」とともに大ヒットとなった「禁じられた遊び」は半世紀の時を経てもひとつも色褪せることなく、観るものを感動させてくれる映画だった。
※ 一度投稿した後、You Tubeに映画「禁じられた遊び」のオープニング部分10分間
のフィルムを発見した。興味のある方はこちらをクリックください。主題曲も聴けます。(こちら ⇒)