クラークシアター2010において「地球交響曲 第七番」とセットで放映されたのがこの「森と水の庭・ウトナイ」だった。新千歳空港の直ぐ近くに広がる豊かな自然を映し出した映画である。
映画は空港という現代機器の集積基地のようなところと、その直ぐ近くに広がる手付かずの自然、ほどよく手が入れられた自然とを対比するという形で作成されている。
空港からほど近いウトナイの自然を一人の女性の目を通して(ナレーター役)、四季の移り変わりを映し出しながら、地域の古老や地域の自然を守る人の語りを入れながらドキュメンタリーフィルムは進みます。
この映画のダイジェスト版がYou Tubeの中にありました。10分間物なので作品のおおよそを把握することができます。興味のある方はこちらをクリックください。(こちら ⇒)
「壁男」のときもそうであったように、クラークシアターのような映画祭的な催しの場合、監督などの話が聞けることが一つの魅力であるが、この映画でも、次の「地球交響曲」でも監督の話を直接聞くことができた。
この「森と水の庭・ウトナイ」の監督は札幌出身で写真家・映像作家として東京を中心に活躍している北川陽稔氏という方だった。
北川氏は東京から北海道に帰ってくる際、飛行機が新千歳空港に着陸する間際、窓の外に広大な原野が広がり、それと隣り合わせるように新千歳空港の巨大なグレーの敷地を見たときに、この映画を作ろうという構想が浮かんだそうだ。
※ 自らの作品について語る監督の北川陽稔氏です。
監督の北川氏は言う。
ウトナイに残る素晴らしい自然の良さをローカルな視点から伝えることによって、自然を守るというグローバルな考え方が広がっていってほしいと…。
森にはさまざまな森があるという。
生活のための森
人々の心のための森
ただそこにある森
人間と自然が調和を保ちながら、地球環境を守り持続させていくという考え方がこうした動きと共に広がっていくことだろう。