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フィオーレ合奏団  「鳥の歌」に感動!

2022-05-22 12:33:54 | ステージ & エンターテイメント

 3月のスプリングコンサートに続いて、弦楽器だけのオーケストラ「フィオーレ合奏団」の定期演奏会を聴いた。懸念していたことが払拭されたわけではなかったが、アンコールで演奏されたチェロのソロ「鳥の歌」に深く感動した。

       

 昨日(5月21日)午後、札幌教育文化会館で開催されたフィオーレ合奏団の第2回定期演奏会を聴いた。定期演奏会とあって開催パンフにもあるとおり、3月のときとは違って意欲的な曲目が並んでいた。また今回は、低音楽器(チェロ、コントラバス)を中心に6名の賛助出演の演奏者が加わっていた。

 この日演奏された曲目は次のとおり。

 ◆第一部 邦人作曲の弦楽合奏人気曲

   弦楽のための三楽章/芥川也寸志

    ◇第一楽章 アレグロ

    ◇第二楽章 アンダンテ

    ◇第三楽章 プレスト

 ◆第二部 ボサノバとタンゴの世界

    ◇黒いオルフェ/L.ボンファ

    ◇イパネマの娘/A.C ジョビン

    ◇エル・チョクロ/A.ビジョルド

    ◇バラのタンゴ/F.シェライエル & A.ボッテロ

    ◇リベルタンゴ/A.ピアソラ

 ◆第三部 哀愁のシチリアーノ

   リュートの為の古風な舞曲とアリア/レスピーギ

    ◇第一楽章 イタリアーナ

    ◇第二楽章 宮廷のアリア

    ◇第三楽章 シチリアーノ

    ◇第四楽章 パッサカリア

 ◆アンコール

   ◇鳥の歌〈スペイン・カタロニア民謡〉 チェロ独奏

というラインナップだった。合奏団関係者の意気込みが伝わってくるような選曲である。

 ところでリード文で私は “懸念” という言葉を使ったが、それは前回のフィオーレの演奏を聴いたときに私は次のように書いている。

「フィオーレ合奏団の弦の音色のどこかが札響などのプロの音色と違って聴こえてくるのだ。それは他のアマチュアのコンサートを聴いたときにも感じたことなのだが…。私は演奏を聴きながら、プログラムの端に「チューニング?」、「楽器の違い?」、「押さえどころの違い?」とメモした。

 違いはチューニングの甘さなのだろうか?それとも楽器の質の違いなのか?あるいは、ヴァイオリンなどの弦楽器はギターなどと違いフレットがないという。となると奏者が抑える箇所が違うと当然出る音にも違いが出てくる。あるいは弓の弾き方にあるのだろうか?素人の私にはとんと分からない。きっと奏者たちもその違いには十分に気が付いていて、一生懸命にプロの技に近づこうと努力されているに違いない。」

 今回、私はこの ‟懸念”が払しょくされるだろうか?という思いで聴きに出かけたのだが、残念ながら私に耳には前回と同じように届いてきた。これは弦楽だけで構成するアマチュアオーケストラのあるいは宿命なのかもしれない。合奏団の今後の精進を期待したいと思う。

          

 そうした中、合奏団の育ての親であるコンサートミストレスの澤田まさ子さんが挨拶の後、賛助出演されたチェロ奏者のギジェルモによるスペイン・カタロニア民謡の「鳥の歌」をソロ演奏で披露する、と話された後、スペイン人のビジャサン・バローソ・ギジェルモさんが演奏を始めた。これが素晴らしかった!低く重厚なチェロの調べが会場内に響き渡る静かな曲だった。もともとはキリストの生誕を鳥が祝っている様子だというが、スペインでは平和の歌として知られているという。時が時だけに聴く者たち胸深くに響いてきた。ギジェルモはスペインで音楽学校で学んだあと、札幌へ来て音楽教室の講師をしているといういわばプロである。曲の良さと技術が融合した素晴らしい演奏だった。

 ギジェルモの演奏ではないが、この曲を有名にしたカザロフ(?)が演奏したものをユーチューブで見つけたので貼り付けてみる。うまく再生できるか分からないが、試してみてください。(こちらをクリック⇒)