田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

「少年の主張」全道大会を聴く

2022-09-02 18:17:12 | イベント

 今どきの中学生の問題意識が、「差別」、「ジャンダーフリー」、そして「SDGs」と多岐にわたるものの、私たち成人と違わないことを確認できた。かれら中学生の真摯な声を聴くことができた「少年の主張」全道大会だった。

       

 本日午前から道民活動センター(かでる2・7)かでるホールにおいて「少年の主張」全道大会が開催された。と私は考えてかでるホールに向かったのだが、実際は「北海道青少年育成大会」の一環として「少年の主張」全道大会が開催された、というのが実際だった。

   

   ※ 北海道青少年育成大会の開会式の様子です。

 私は日程が10時~15時まで(昼食休憩を挟んで)となっていたので、道内各地の予選大会で選ばれた少年たちの声が聴けるものと期待していたのだが、実際はコロナ禍の渦中ということもあり、事前に VTRで審査が行われていて、本日直接その声を聴くことができたのは優秀者3名の発表だけだった。私にとっては思惑が外れてガッカリといったところだったが仕方あるまい。

 その優秀賞3人のテーマとは、「込められた意味」「カミングアウト」「世界へ届け 私の一歩~個性の違いを認め合う~」といったテーマでの発表だった。

 最優秀賞を受賞した「込められた意味」の発表者は、自らの名字が朝鮮籍と分かるような名字だったことに悩んだ幼少期、父親になぜ日本名を名乗らなかったのか問い質したときに、父親から「恥ずることはない。堂々と胸を張って生きてほしい」との思いを聴いて吹っ切ることができ、自らのアイデンティティを大切にして生きていきたい、と堂々と宣言したところが素晴らしかった。気負うことなく、淡々と、しかし堂々と発表された態度・内容は最優秀賞に相応しいと思えた発表だった。

 優秀賞の「カミングアウト」は、自らがHSP(感受性が強く、敏感な気質をもった人)であることを公表し、違いを認め合う社会になってほしいと訴える内容だった。

 「世界へ届け~ 」の方も、自らの弟が学習障害を患いながらも、自分にはない才能をもっている弟のことを見直し、それぞれの個性を認め合える世の中の実現を訴える内容だった。

 3人のいずれもが、自ら、あるいは身内のことから問題意識を持ち、そこを出発点として社会の在り方に目を向けている点が特徴として見られるように思えた。

   

   ※ 「少年の主張」の優秀賞受賞者が発表している様子です。

 会場で渡された資料には、全道大会出場者のテーマが紹介されていた。上記3名以外のテーマを並べてみると…。◆地域との交流から気づかされたこと ◆力の源 ◆人には皆価値がある ◆食品も大切な一つの「命」 ◆「戦争を知る」とは ◆「違うこと、受け入れること」 ◆勉強は忌むべきものか ◆本当の幸せは ◆偏った「当たり前」~ジェンダーを通して考えたこと~ ◆思いやる心と勇気 ◆「跳ぶ」 ◆常識にとらわれないために ◆「私と剣道」 というテーマだった。テーマだけから内容を推し量るのは難しいが、傾向として優秀賞受賞者同様に、自らの周りのことに問題点を見いだし、そこから社会へ目を向けている内容が多いのでは、と類推したのだが実際はどうだったのだろうか?

 ちょっと気になったことがあった。全道大会に駒を進めた16名の発表者のうち、男子生徒が僅か2名だったことが名前から類推できた。優秀賞を受賞された3人も全て女子生徒だった。男女比について述べるつもりはないが、ちょっと気になった点ではあった。

 早くコロナ禍が収まって、近い将来より多くの中学生の声を直接聴いたみたいものである。