耳に馴染んだシネマ・ミュージックを札響のフルオーケストラで楽しむというなんとも贅沢なひと時を楽しんだ。指揮者の円光寺雅彦氏の軽妙なトークも冴え、肩の凝らない、心楽しい1時間だった。
昨夕(9月5日)、札幌文化芸術劇場hitaruにおいて札幌交響楽団演奏会「hitaru で シネマ・ミュージック!」が開催され参加してきた。
今回の演奏会も札響ファンの底辺拡大を意図した企画なのだろう。入場料がなんと1,000円という格安の料金だったこともあり、中高年の方々で場内は満員だった。
演奏会は円光寺雅彦さんの指揮で次の8曲が演奏された。
◆ジョン・ウイリアムズ/「スター・ウォーズ」メインタイトル
◆マックス・スタイナー/「風と共に去りぬ」タラのテーマ
◆リチャード・ロジャース/「サウンド・オブ・ミュージック」セレクション
◆エンリオ・モリコーネ/「ニュー・シネマ・パラダイス」愛のテーマ
◆ニーノ・ロータ/「ゴッド・ファザー」愛のテーマ
◆ラロ・シフリン/「ミッション・インポッシブル」テーマ
◆レナード・バーンスタイン「ウェスト・サイド・ストーリー」セレクション
〈アンコール〉
◆フレデリック・ロウ/「マイ・フェア・レディ」から「踊り明かそう」
演奏会は指揮者の円光寺雅彦さんのトークを交えながら進められた。その円光寺氏のトークが実に軽妙で聴衆の笑いを誘った。例えば「風と共に去りぬ」の演奏の前には、「あのような気の強い女性ですと、男性も大変ですねぇ」などと言いながら演奏に入っていくという感じで、私たちを和ませてくれた。
私が札響を慕う大きな理由は、ストリングス(弦楽器)の美しさである。道内には吹奏楽では素晴らしいオーケストラがたくさんあるが、本格的なストリングスを聴くとなると札響が随一、唯一ではないかと思っているからだ。
今回の演奏会ではどの曲も素晴らしかったが、特に「ニュー・シネマ・パラダイス」のストリングスを中心とした演奏に惹かれた。中でもコンサートマスターの会田莉凡さんのヴァイオリンソソロは絶品だった。
また、「ゴッド・ファザー」の冒頭の哀愁を帯びたトランペットソロも映画のシーンを思い起こさせてくれる名演奏だったと思う。
札響の映画音楽…、年に一度は聴いてみたい音楽会である。