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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

HBC近藤予報士 気象を語る

2024-01-13 19:35:25 | 講演・講義・フォーラム等
 アナウンサーを経験された近藤肇氏である。爽やかに、ユーモアを交え、近未来の気象を易しく語ってくれた。“地球温暖化” ならぬ、“地球沸騰化” が囁かれる今、近藤氏のお話を興味深く拝聴した。

 昨日(1月12日)午後、道民活動センター(かでる2・7)において北海道民放クラブが主催する講演会に参加した。
 北海道民放クラブは、北海道内の民間放送に従事した方々がリタイア後に親睦を図っている団体のようである。その民放クラブが定期的に研修会を開催していて、昨日はその一環として催されたようである。今回の研修会はHBC(北海道放送)のお天気キャスターとして長いキャリアを誇り名キャスターとして名高い近藤肇氏が招請され、「テレビで天気予報を見たくなるわけ」と題して講演された。
          
 近藤氏は当初HBCのアナウンサーとして入局し、その後気象予報士の資格を得て2006年から気象キャスターとして今日まで18年間務められているベテランである。お話はリタイアされた方々が高齢であることを意識したのか、とても平易に気象のことを語ってくれて、私にも分かりやすく聞こえてきたのは幸いだった。
 近藤氏はまず、昨年2023年の異常だった気象について私たちの記憶を呼び起こしてくれた。それによると、まず春のサクラの開花が例年よりかなり早く札幌で4月15日と異常に早かったことを指摘した。
 そして夏の記録的猛暑である。札幌で真夏日(30℃以上)を記録したのが30日、猛暑日(35℃以上)も3日を数えたという。
 秋もかなりの高温で推移し、初雪を記録したのも11月11日と平年より10日遅かったそうだ。
 そして日本はこの100年で平均気温が1.35℃上昇したということだ。
 ここで近藤氏は面白いデータを示してくれた。それは気候変動について各国の科学者が集うIP CC(気候変動に関する政府間パネル)が発表した文言の変遷である。それは「地球の温暖化は人類のせい?」という問いに対して、報告年度ごとに次のように変遷してきたという。
◇第3次報告(2001年発表) 原因が人間活動である「可能性が高い」
◇第4次報告(2007年発表) 原因が人間活動である「可能性が非常に高い」
◇第5次報告(2014年発表) 原因が人間活動である「極めて高い」
◇第6次報告(2021年発表) 原因が人間活動である「疑う余地がない」
 国連のグレイティス事務総長が「もはや地球の気象は “地球温暖化” ではなく “地球沸騰化” の時代に入った」というのも頷ける話である。
 近藤氏は、続いて今後の地球の気温の上昇について言及した。それによると、日本政府が遅ればせながら2020年に「2050年までにカーボンニュートラルを目ざす」と宣言したが、世界各国が同様の取組みをしたとしても21世紀末(2100年)には現在より1.5℃以上の上昇は避けられなく、もしそうした対策が取られなかったとしたら4℃から5.7℃の上昇が見込まれるという。(これは近藤氏の予測ではなく、世界各国の気象学者の予測を紹介したものである)
  
 このことを聴いて暗澹たる思いをしたのは私だけではあるまい。昨年夏のあの暑さ以上の暑さが毎年夏に訪れることを想像しただけでも暑苦しくなってくる。さらに私たちの子孫は今以上の暑さの中で生きていかねばならないということになる。
 手をこまねいているばかりでは何ら解決しない。私たちが今できること、それは取るに足らないことかもしれないが、それでもやらねばならないことを突きつけられていると感じた一瞬だった。
 その後近藤氏は、自らのお天気キャスターの日常について紹介してくれたが、その部分は割愛したいと思う。
  
 最後に近藤氏は有益な情報を提供してくれた。それは私たちが日々の気象を知る手段として有益なアプリを紹介してくれた。それは「今後の雨」、「HBC天気」、「キキクル」というサイトである。興味のある方はぜひ一度アクセスしてみてほしい。私が試したところ、気象庁提供の「キキクル」はかなり良くできたアプリのように感じた。試してみてください。