LABOとは?…研究所とか、実験室を意味するそうだ。ということはクラシックLABOとは、クラシックに関する新たな研究とか、実験ということになろうか?単に音楽家の演奏を楽しむだけでなく、新たな価値を付け加えたコンサートを楽しんだ。
昨夜(3月18日)PMF組織委員会が主催する「PMFクラシックLABO♪ 音楽を旅するイタリア編」が札幌市民交流プラザのクリエイティブスタジオで行われたので参加した。
出演したのは、クラシック音楽ファシリテーターとして活躍する飯田有抄さん、イタリア出身で札幌コンサートホールKitaraのオルガニストを務めるニコラ・プロカッチーニさん、そしてイタリアで2年間にわたり本格的なオペラを学んだバリトンの下司貴大さんの3人が出演した。
※ バリトンの下司貴大さん
プログラムは三つのトピックから構成され、それぞれのトピックで関わる音楽が提供された。そのプログラムとは…、
◆Topic 1 イタリアは楽器作りの国!ピアノの起源もイタリアから生まれた
◇フレスコバルディ作曲 『チェンバロとオルガンのためのトッカータ集 第2巻』から
「トッカータ 第2番」 ニコラさんのチェンバロの演奏
◇ロッシーニ作曲 歌劇『セビリアの理髪師』序曲から ニコラさんのピアノの演奏
◆Topic 2 イタリアは歌の国!オペラの魅力
◇A.スカルラッティ作曲 「陽はすでにガンジス川から」
下司さんのバリトン、ニコラさんのチェンバロ伴奏
◇ボノンチーニ作曲 「お前を讃える栄光のために」
下司さんのバリトン、ニコラさんのチェンバロ伴奏
◆Topic 3 イタリアの食・文化・暮らし
◇P.チマーラ作曲 「海の詩」 下司さんのバリトン、ニコラさんのピアノ伴奏
◇C.A.ピクシオ 「マンマ」 下司さんのバリトン、ニコラさんのピアノ伴奏
◆アンコール L.デンツァ作曲 「フニクリフニクラ」
下司さんのバリトン、ニコラさんのピアノ伴奏
※ チェンバロ、ピアノのニコラ・プロカッチーニさん
単なる演奏会とは違い、ファシリテーターの飯田さんが二人の音楽家からトピックに関連する話を伺い、それに関連する音楽を演奏するという構成はなかなか興味深かった。特にTopic 3については、二人のイタリア生活を写真で紹介してくれたのはとても良い企画だと思われた。私も少々イタリア滞在の経験があるが、二人が暮らした北イタリアは未知の地域だったので、南イタリアとはまったく違う光景が映し出されたので興味深かった。
ニコラさんは オルガンだけではなく、チェンバロやピアノの演奏も素晴らしかった。また、下司さんは北海道出身で上背もそれほど高くはないのだが、イタリアにおいても外国人に伍して素晴らしい成績で修了されたと聞いた。まだ若い(30代前半?)下司さんにはこれから北海道において活躍していただきたいと思う。
※ ファシリテーターを務めた飯田有抄さん
飯田さんによるとこのPMFクラシックLABOはまた7月頃に今度は「ドイツ編」としての企画が進んでいるようだ。また参加してみたいと思っている。