田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

NHK朗読&トークイベント「自然を見る」

2022-06-06 11:35:31 | 講演・講義・フォーラム等

 北海道の自然を版画で、あるいは写真や映像で表現する二人の作家の作品をNHK札幌放送会館の8K大画面で観賞する機会を得た。二人の作品からは、いかに北海道が豊かな自然に恵まれているかを再確認させられた。

    

    ※ NHK札幌放送会館前に立てられたイベントの掲示塔です。

 昨日(6月5日)の午前と午後、NHK札幌放送局において午前と午後に開催された二つのイベントに参加する機会を得た。

                    

 午前の部は「朗読イベント」と称して、木版画家の手島圭三郎さんの絵本(木版画)を、札幌を中心に活躍する俳優の斎藤歩さん西田薫さんが朗読するというものだった。イベントは「手島圭三郎 動物たちのものがたり」と題して、手島さんの作品(絵本)三冊が題材として取り上げられた。その三冊とは①「きたきつねのゆめ」、②「しまふくろうのみずうみ」、③「ピチャㇰカムイ」の三作品だった。

     

     

     ※ シマフクロウが羽を広げた図には圧倒されました。

 三つの作品を二人の読み手は、けっして大仰ではなく。むしろ抑揚を抑え気味に朗読するところに魅かれた。彼らの朗読が手島さんの特徴のある木版画と共に北海道の自然の中で営まれている動物の世界に誘ってくれた。手島さんの力強い木彫りのタッチが8K画面に鮮やかに映し出されたが、特にシマフクロウが羽を広げて飛翔する様が大画面いっぱいに映し出された場面には圧倒された。

          

     ※ 斎藤歩さん                    ※ 西田薫さん

 午後の部は「トークイベント」と称して写真家の嶋田忠さんが自ら作品を画面に映し出し、作品にかける思いや、撮影の裏話をお話されたイベントだった。嶋田さんは30年前に関東から千歳に移住して、主として千歳の自然を撮り続けているそうだ。嶋田さんはいわゆる写真と動画(嶋田さんはこれを「映像」と称していたが)の両方の表現手段を使って作品を創っているそうだ。イベントではまず「厳冬 北海道の野鳥~写真家 嶋田正が捉えた千歳の森~」という30分間の映像作品が映し出された。そこでは主として白黒の鮮やかな衣装をまとったヤマセミの生態が余すところなく映し出されていた。

     

     ※ ヤマセミの作品を前にした嶋田忠さん。

 続いて、次には嶋田氏が撮り溜めた写真が画面に打ちしだされ、島田氏があれこれと語ってくれた。そのお話の中のいくつかを紹介すると…。嶋田氏は「日本一写真を撮らない写真家」と言われているそうだ。それはどういうことかというと、嶋田氏は写真にしても、映像にしても、実際にカメラを構える前に十分な時間をかけて準備するタイプなのだと自己を分析された。映し出す画面を構想し、絵コンテを描き、そのうえで撮影に臨むと…。

      

      ※ 今大人気のシマエナガの大きな写真の嶋田さんの作品が壁に掲示されていました。

 さらには次のようなことも話された。写真は短距離の100mのようなもので瞬発力が要請されると言う。対して映像の場合は一本の作品の中に起・承・転・結があってマラソンのように長時間の勝負になると…。

 嶋田さんの写真では、氏が写真家になったキッカケだというアカシヨウビンとカワセミの鮮やかな羽の色が印象的だった。映像で取り上げられたヤマセミも含めて、三種ともに川魚のハンターであるところに共通性があって面白い。きっと彼らには嶋田さんの機微に触れる何かがあるのだろう。

      

      ※ 非常に印象的なシマフクロウ(?)の眼を大写しした写真です。

 最後の質疑応答の中で「世界の野鳥が減少している」ことに触れられた。野鳥が減少しているということは、野鳥の主食でもある昆虫が地球上から減少していることだと嶋田さんは言及された。その原因が何であるかは特定されていないとのことだが、どうやら人間の活動がその背後にあるのでは、と嶋田さんは指摘された。

 嶋田さんが関わってきたNHKの自然番組、「生き物地球紀行」、「ダーウィンが来た!」は私も大好きな番組である。あの番組のような世界がいつまでもあり続けるような地球にしなければならない、と強く感じた一日だった。

※ 掲載している写真は、同時開催されていた展示会で撮影可能なものを私が写して掲載したものですが、一部顔写真などはウェブ上から拝借して掲載しました。                    



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。