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奥秩父では山頂で夜明けを迎える為、写真家Iさんと午前四時の小屋を出発。真っ暗な中、月明かりとライトを頼りに山頂を目指す。
途中月に照らされた風景を撮りながらゆっくりと進む。何せ寒いので汗をかかないようにゆっくり、ゆっくり。それにしても霜がすごい。地面が真っ白だ。
小屋を出てから一時間弱で無事登頂。まだ空は真っ暗。しかし遠くの街の明かりと月が山々の輪郭を浮かび上がらせている。
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東の空がほんの僅かに夜の闇の均衡を破ってからは早かった。見上げるたびに、というか見下ろすたびに周囲が明るくなっていく。
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そして登頂から一時間後、突然「スパッ」と東の空が切り裂かれたかと思うと太陽の光が。寒さが限界に達しつつあったのでありがたい。
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寒さのあまりトイレも限界に達しつつある中、足を踏み外さないように気をつけながらゆっくりと山を下りた。