まあ確かに父が言っていたように転勤先では嫌なことも沢山あったが、よいこともあった。それは地のものが食べられたことだった。いろいろあるが、例えば会津の日本酒やわっぱめし、喜多方ラーメンや地元の手打ち蕎麦など。また浜松出張で記憶に残っているのが病院の食堂でやっていたお好み焼きである。これは地のものというよりも、その病院の名物だったかもしれない。これを定食にするとごはんとシナチク入りのラーメンスープがつく。これは腹いっぱいになるが昼食時の数量限定メニューなので遅く行くと売り切れていた。このバージョンで焼きソバ定食もできる。大きな鉄板で目の前で焼く焼きソバは思い出しただけでも涎がでる。ソースのこげた香ばしい匂いは絶対に反則である。あれにかなう相手はいないだろう。でもあの組み合わせは健康によくない偏ったメニューである。しかし病院の食堂でも「敵なし」だった。そのメニューが廃止に至ることは当時なかった。おそるべしっ! 焦げたソースの匂い。