叔父が私をからかって騒がせていると感じた母は口を挟んだ。「〇〇さん(叔父の名前)!もういいかげんにしなさい」とたしなめた。 そして次に母は私にむかってこういった。「別にあんたもそっちのほうがいいじゃないの。禿げているほうが頭は清潔でいいでしょう!」 ・・・・私は今でも覚えている。嘘でも母親には否定してもらいたかったのだが、あくまで私が禿げること前提とした物言いだった。子供心には「そんなことないわよ」か、あるいは「そんな将来のことわからないでしょ?」と言ってほしかったのである。ある意味この時から自分は「将来の禿頭」が覚悟できたのである。その後も、たぶん何の根拠もなかったろうが、よく兄からも「お前は〇〇家(母方の実家)の血を引き継いでいるので将来、飲兵衛で禿げるんだ」と幾度となく言われた。まあ自分もそのつもりでいたので別に何とも思わなかったし、特に傷つくこともなかった。