そういえば、昔、医局で「人に対してこれだけは言ってはいけない差別用語」という話題になった。差別的な言葉なので書けないが、特に男性に対しては「著しく背が低いこと」「著しく肥満であること」そして「頭髪が薄いこと」などがあげられた(すべてカタカナ2文字である)。ところが「著しく背が低いこと」と「頭髪が薄いこと」は自分自身の努力ではどうにもならないことなのでこれは差別用語になる。しかし肥満であることは自身の努力で解決できるので差別的な用語にはならないと結論された。その時、糖尿病性ケトアシドーシスで搬入された患者さんが入院していたが極度の肥満状態であった。もし退院したら「髪の毛を生やすという努力」の何百分の一の頑張りによりおそらくは健康な身体に近づけるはずである。やはり育毛・増毛のほうがいまだに難しい課題なのである。