わずか1週間足らずで母親にアルバイト先の労働環境を告げた。「まぁ~、そんな危険なところなの? ひどいわね。すぐに辞めなさい」と言われると思った。しかし反対だった。昔、母は学徒動員で軍需工場にかり出され朝から晩までもっと劣悪な労働環境で働かされたのだそうだ。そして今の若者は根性がない、こらえ性がないと逆にお説教をされた。まあ確かに従業員は毎日ずっと働いているのだ。こちらは期限付きのアルバイトである。しかも小遣い稼ぎであって生活がかかっているわけでもない。彼らに比べれば自分は根性も体力もないことになる。しかしながら自分はポスト学園紛争の三無主義の世代であった。「無気力、無関心、無感動」のデカダン?なので根性などという言葉とは無縁であった。そんなこんなで、まあしょうがない、もう少し働くことにした。