先日クリニックの忘年会をやった。恒例というわけではないが池袋のフランス料理屋を利用した。このお店のオーナーシェフのお父上は画家であり、音楽の教科書に載っているような楽聖(音楽家)の肖像画を描いたことで有名である。学校の音楽室に貼られている肖像画のことである。戦後すぐの貧しいころに、このような絵が売れたので食いつなぐことができたといっていた。またシェフが当時コックになりたいと言ったところ「食べてなくなるようなものを作る仕事はとてもいい。なまじ恥ずかしい作品等、残るようなものを作る仕事はいかん」といって大層喜ばれた(?)そうである。後世に残すべき立派な作品だと思うが、完璧を求める芸術家ならではの言葉である。けだし名言といえるだろう。