「えっ? 現場にいらしたのに信号を見なかったんですか?」 娘さんは驚かれた。自分は傷病者の救護よりも信号の色の確認が優先するとは思わない。でもまるでそれを責められているかのような感じだった。たぶん歩行者と運転手の過失割合で揉めているのだろう。もし信号が赤で歩行者が横断していたら運転手の責任は軽減される。事故の場合、お金が絡むのでやっかいである。いずれにせよ自分は信号をみていないので「分かりません。見ていません」と正直に答えるしかなかった。その娘さんは残念そうな顔をして帰って行った。自分はよっぽど、あのまま現場によらず立ち去っていたほうが精神衛生上よかったろうと感じた。でも今度同じことが起こっても、また「懲りず」に自分は同じことをするんだろうなぁ~と複雑な思いであった。本当に不愉快で複雑である。