吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています

知らぬは私だけ? その10

2011年02月14日 06時42分20秒 | インポート

 毎日、認知症の患者さんと対応するご家族はもちろん大変なことである。自分は相手の話が作話とわかり脱力感を覚えたとしても、このような診療が仕事であり、しかも数週に1回の診察なので大変なことはない。ところがこのように認知症の患者さんが何人も続くと、毎日の診療の中の会話で「あれ この話は作話かな? え? もしかして認知症かも?」と疑い深くなってしまうのが辛いのである。病気の診断は「疑うこと」からはじめるのが重要なのでこれもまたやむをえないが、どうも人と話をすると疑い深くなる癖がつくのはまさに職業病なのかもしれない。患者さんと雑談していても「なんだかなぁ~自分は営業の会話をしているのかなー」と思ってしまうと楽しくはないのである。