吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています

何ともまあ・・ その4

2012年06月21日 06時13分37秒 | インポート

 茨城の荒川駅?や秋葉原での路上事件やら、あるいは少し前ではサンシャイン通りエスカレータ事件、大阪の小学校での事件やら今まで時々「自分が死にたいが死に切れず、死刑になれば死ねるために無差別に他人を殺害した」というような猟奇的事件があった。正当性や汲むべき事情も見当たらないが、このような犯人がどのようにして自己と他人との関連性を因縁づけているのかその病理は複雑である。「死にたいので自分は死ぬ」とう行為は少なくとも他人を巻き込まないような自己完結型であれば私は否定はしない。しかしながら現実的には自殺という行為は反社会的行為として位置づけられており、それに伴う種々の経済的損失や周囲への波及効果を考慮すると、やはりどうみても社会的には認められるものではない。救命センター勤務時代、年間数百人の薬物による自殺企図の患者が搬入されてきた。そしてそれら薬物使用の患者のほとんどが軽症であり数日以内に退院していく。本来、自傷によるものは健康保険の適用にならず自費で請求すべきであるが、何かしらの病名をつけて保険適用にしている。そうしないと彼らは未払いのまま退院していくのである。まさにこのことも社会がかかえる複雑な病理なのである。