いわゆる健康増進のための商品や食品の宣伝におけるキャッチコピーには随分いい加減なものがある。たとえば膝痛の人に対しての内服食品(薬品ではなく食品扱いになる)には、使用者の談として「もう、こんなにも元気です! 痛みもすっかりなくなりました」とTVなどで流される。そのときTV画面の右隅に「これは使用者の声の一部です。効能には個人差があります」と瞬時に小さくこのような文字が通り過ぎるのである。もちろん個人差はあるが、残念ながらこのような食品については何ら臨床検証データがないので効くとも効かないともいえないのである。中には経口で内服しても絶対に効くわけがないという健康食品までが堂々と販売されている。まあ特に毒にはならなさそうなので、あえてどれとは言わないが、何だかまるで誇大広告のようである。でも鰯の頭も信心からといわれるよう、外来にくる患者さんの中には続けている方もいるようなのだ。