私は巣鴨のとげ抜き地蔵さんの近所で育った。小さい頃から縁日の屋台を周るのが好きだった。私の味覚の原点は、屋台のお好み焼きや焼ソバやハッカパイプや綿飴、はたまた夏場は氷で冷やした、如何にも人工着色料がふんだんに使われている原色シロップ水なのである。これらジャンクフードはどう考えても身体によくはない。でも今でも美味しいと感じるのは幼小児期における味覚の刷り込みというものがいかに大きいかということである。刷り込みというわけではないが身体によくないものというのはやはり旨いものが多いのではないかと思っている。たとえば、飲み屋のモツ煮込みは極上である。でも塩分やらプリン体の多さやらで健康にはよくない。最近のラーメン、つけ麺もブームであるがこれらだって塩分、カロリー、プリン体などの宝庫なのである。