昨年、やくみつる氏は言った。一人ひとりは悪い子ではないと前置きしながらも「ファンの諸君、目を覚ませ。どんなに応援しても彼女らは君達にはふりむかないぞ」と・・・。まさにその通りである。彼女達は、ファンの愛の深さとは、心情的な応援の度合いではなく購入されたCDの枚数なのであると全員が知っているのだ。夢を売るのが芸能人ではあるが現実的にはCD売ってナンボでものである。順位がおちたら地獄であるという現実的な彼女達の手のひらの上で夢見るファンが踊らされているような感もするのである。おおぜいの人が一人1枚のCDを買おうとも、一人の人が何十枚ものCDを買おうとも順位を争う彼女達にとってはどちらでもいいことなのである。一人の人が月の給料をほとんどつぎ込んでCDを買っているという社会的怪奇現象は、自分の芸能界生き残りにとってはほぼ無頓着であるのだ。このような枠組みを仕掛けたプロデューサーは自分のタクティクスが大当たりしていることのみが正義であると感じ、現実に起こっている社会現象の有様はファン一人ひとりの自己責任であるのだからどうでもいいと解釈しているに違いない。