吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

認可外保育施設“うつ伏せ死” ホント? その2

2018年05月16日 05時44分52秒 | 日記
 このような痛ましい事故があると、当然両親は「管理体制が悪かったのでは?」と思うだろう。それはやむをえない。しかしいつも争点となるのは、その管理手技や管理体制と死因との因果関係が云々される。
 今回のケースはうつぶせ寝であるが、これは現在では「突然死」の原因と言われている。自分はうつぶせ寝が本当に突然死に繋がるのか、あまりその機序はしらない。単に勉強不足なのかもしれないが本当に医学的にevidenceがあるものか疑わしい。
 しかし過去の判例ではうつぶせ寝で突然死した事例はすべて管理側が負けている。つまり医学的にではなく司法的に因果関係があると認めているのである。
 今回過去の判例が適用されれば、うつ伏せ寝なので間違いなく保育園側は負けるであろう。これは医学ではなく司法での判断なのである。

 よく原告側は「真実が知りたい」というが医学的因果関係の分からないところでは真実の解明などは不可能である。司法の現場は科学ではない。科学的根拠の明らかではないところでも「シロクロ」つけなければならない司法とは、もともと真実云々でことが運んでいるわけではないのである。