今となっては証拠としてお見せすることが出来ないが、昨年ヤフオクに細川家の家紋をあしらった大きな「懸魚」が出品された。
いかな細川大フアンの私でもこれに応札する気にはなれなかったが、誰が落とされたか知らないが少々その行方が気になっている。
記憶が定かではないが110センチとか書かれていたように思う。今考えてみるとどこの建物のものだろうかと不思議で仕方ない。
懸魚とは切り妻造りもしくは入母屋造りの神社仏閣などの屋根の破風の下にある妻飾りのことである。
火よけのため(お呪い)だとされるが、詳細は素晴らしいサイト「懸魚 --由来と形態--」にお任せすることにしよう。
このサイトにあるように、もともとは魚の形をしていたとされ、魚を水の代わりと考えて「魚(水)を懸ける =懸魚」となったとする。
天守閣にそびえる「しゃち」や、巨大仏閣の「しび」など、また軒先瓦に「三つ巴」の瓦を葺くのも同様の考えからきている。
昨年私は「平成肥後国誌」の編者・高田先生と、N君と三人で八代未来の森ミュージアムを訪ねた際、古麓界隈の神社仏閣を見て回った。
そんななかで八代神宮(八代妙見社)を訪ねたのだが、あいにく工事中で詳細に見て回ることが出来なかった。
高田先生は大変残念がっておられたが、この神社の懸魚はまさしく「魚」の形をしていると仰る。
私も建築家のはしくれとして大変興味深く残念に思いながら帰途についたのだが、気になって仕方がない。
「八代市内建造物の悉皆調査の報告とその建築的特性に関する考察」という論考が存在するが、ここでは「八代神社は正面に千鳥破風がついており、その懸魚に素木の鶴の彫刻が懸けられている。懸魚に鳥の彫刻がつくのは八代では唯一である」としており、魚の形をした懸魚については全く触れられていない。
さて真相やいかに・・・・少し暖かくなったら体調を整えて出かけてみようと思っている。