12月1日 ■LADY GRACIA を書いた。が・・・まだ購入には至っていない。
最近ヤフオクで、遠藤周作の短編集「夫婦の一日」という本を手に入れた。五編の短編で構成されているが、その最後に「日本の聖女」があった。
数行読み進んだところでガラシャ夫人のことが書かれていると直感した。
玉造教会のパードレに仕える人物の語りで物語は進行する。陰の主人公はガラシャ夫人の侍女・小侍従である。
たった一度だけ教会を訪れたガラシャが、その後小侍従を遣わしてキリシタン信仰を深めて行く様子が描かれている。
「日本の聖女」は、「鉄の首枷・小西行長伝」に連なるクリスチャン遠藤周作ならではの作品で有る。
私が所蔵するガラシャ夫人に関わる一連の著書に、「+1」としてこの作品を加える事にした。
他の短編では、遠藤氏と結婚と同時にクリスチャンになった夫人が、氏の晩年の病気に心を痛め、まったく日本的土俗的な占いに懲る有様が描かれ、氏のイライラ振りが描かれている。「君もクリスチャンだろう・・・」と咎める氏だが、夫人の行動に心ならずも手を貸すシーンが微笑ましい。