熊本史談会9月例会は歴史研究家にして、たまきな出版舎を経営されている平田稔氏を講師にお招きして講義をお聞きした。
「池部啓太春常」の取材・執筆で分かった大間違いというお話であるが、御著「池部啓太春常-幕末熊本の科学者・様式砲術家」の執筆に際しての御苦労やエピソード又啓太に関する市販本・論考の間違いなどを史料を示しながら指摘をされた。
まことに説得力のあるお話で、出席者一同大いなる関心をもって拝聴した。
一人の偉人についてのいろいろな著作や論考が、誤った言い伝えや風聞をもって語られてきたが、この著をもって認識を新たにしなければならない。
しかしながらそのような先行する間違った著作・論考も生き続けていく中、正しい評価が根付くにはまた長い時間を要するのであろう。
出典を表示すればよしとする安易な作業を現に慎まなければならないことをつくづく感じさせられた。