津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

■篠沢教授の死に思う

2017-11-08 16:12:26 | 徒然

 かつてのTVのビッグ番組「クイズダービー」の迷回答者・篠原教授が亡くなられ、葬儀の模様なども放映されている。
ALS(筋萎縮性側索硬化症)という難病と闘われての最後であった。
親交があった京都大学の山中教授が、ALSの治療薬の開発に努力する旨の弔辞があったようだ。

この病気は私にとっても他人ごとではなく、2006年たった一人の姉がALSで亡くなった。
永い間身体の痛みを訴え続け、いろいろな病院を回ったり、治療院に出かけたりしていたが、ALSだと判明したのは亡くなる2年前の事だった。
見舞いに訪れた娘(姪)が、元気な様子の母親に「また来るね」と声をかけて帰宅したが、その数時間後に急死した。
衰え行く筋肉は、呼吸することを拒んでしまった。

篠原教授の死去により、このALSという病気がクローズアップしたように感じられる。
今日のヤフーニュースは、ALS治療に腰痛薬が有効? 徳島大が治験始める というニュースを伝えている。
時間の経過に命を削られる思いの患者さんには、一日も早い治療方法の確立が望まれる。
姉が死んでから11年、あばた美人の笑顔が浮かんでくるが、永い間痛みをこらえながらの笑顔であったことを思うと・・辛い。

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■再開・度支彙凾(16)

2017-11-08 13:30:24 | 史料

 七〇
  覺
 御家中之面々年頭・五節句・式日等之御禮、當御在國中は御別段にて惣出仕被仰付候得共、一統難澁之時節ニ
 付、來年御發駕以後よりは猶又以前之通御免可被仰付處、最早數年之間略式ニ被仰付置、御家中之面々御目通
 ニ罷出候儀間遠、上下之間自然と疎成行候ニ付、以來別紙書付之通被仰付旨被仰付候
  但、着服之儀は四季共ニ縞形付等着用出仕有之共、不被遊御構候
  右之趣奉得其意候、組支配方へも可被申渡候、以上
    十月

 七一
  覺
一年頭御禮、御在國ニは士席以上長上下、御在府年ニは半上下ニて出仕
  但、御在國ニは着座以上ハ太刀・馬代進上
一御謡初ハ先是迄之通御略式被仰付置候ニ付、外様より出仕ニ不及
一式日幷正月七日御禮、玄猪御祝之節御物頭列以上出仕
一五節句御禮、獨禮段之御切米取以上出仕
  但、御在府年は先是迄之通御物頭列已上出仕
一御寺参拝、御在國・御在府年之無差別、毎月参拝
一野方御出之節、屋敷前形儀手桶出し不申、晝夜共ニ辻御目見ニ罷出候ニ不及
 右之通可被相心得候、以上
   十月
 
 七ニ
  覺
 音信・贈答・餞別・土産之儀、文化二年以来追々被仰出之趣及達置候ニ候處、身近キ親類たり共無用と申儀は、
 人情長ク守りかたき事ニ付、左之通
一音信・贈答或ハ餞別・土産、親類縁者輕キ品々之取遣は勝手次第、其外一切可為無用旨、天明八年被仰出置候通
 可被相心得候、尤親類縁者と迄有之候ては其限り見へ兼候ニ付、忌懸り又は忌は懸り不申候共忌掛り同様之間
 柄、輕微之品を以志ヲ表し候儀ハ勝手次第之事
  但、吉凶之付届ニ青銅を以贈答可有之旨、寛政元年及達置候儀も有之候得共、行レ兼候付是又本行ニ准シ、
  輕キ品を以贈答可有之候
一親キ輩、獵之品又ハ手作之菜菓・手制之品等取遣ハ勝手次第之段、是又天明八年及達置通可被相心得候、尤親
 キ輩と申候得は朋友知音之類ニて、畢竟交義之信切ニより贈答も有之儀ニ候處、左も無之、御役等相勤候ニより
 贈物等いたし候ハ、輕薄之儀ニて不都合之事共ニ候、此両條之境能々辨別有之度事ニ候
  但、師家・醫師等え之謝禮ハ追々及達置候通、加被相心得事
 右之趣も可申聞旨被仰出候條、奉得其意、組支配方えも可被申聞置候、以上
   文化九年申十月

 七三
  同年十二月十五日御達
 今度御出方筋安永年之趣ニ漸々しらへ方仰付旨被仰出之趣は、一統相達候通ニ付、御出方之稜々、於御勘定所

 専ラ調へ被仰付置候條、頭役々々手前ニて安永年と當時之手取米之外、御役員幷金銀米銭受取方之増減、且又銘
 々え被渡下候御心附米銀ニ至迄、安永年以後被増下候分は、何年何月ヶ様々々ニて何程被増下置候との儀、相知
 レ候丈ヶハ無残様書記し、御勘定方各え相達候様可被達候、以上
  覺
 御勝手向御難澁付ては、既諸事御疊置名護之稠敷御儉約も被仰出候事も有之候得共、事々物々幾百稜共難究、御出
 方筋殊數十年來漸を以相増居候得は、急ニ御甘之験も見兼、追々被仰付之趣届兼奉恐入候、依て今度寶暦以後御
 出方之増減しらへ申達候處、明和之比ハ格別相減居、天明以後次第ニ相増居、何レも中を得兼地場之御暮方難取
 用、安永之比之御出方御當國御相應御世帯幅相見候間、安永を目當ニして當時之御出方を見渡し候處、莫大之御
 出方増相見、第一は御家中御人數増、京都・江戸詰之増御役員御足高・御心附米銀之増、追々臨時御物入打續御
 借物利拂之増、其外萬稜々之増ニて外向より考候よりハ其實ハ餘計之御出方増ニて有之、時節之轉化ニて不得止
 事御出方増ニ付、御暮方出來候得ハ其分ニも可被閣候得共、御國之御高且御土物成は古今之差別無之候、勿論御
 所務は年々豊凶ニ寄同様ニは無之、或ハ御仕法ニ寄て少々宛異同も有之候得共、加白之増減は無之、右之通年々
 御出方増、其御不足打重り候ては彌以御勝手向御大切之場ニ差向、此分ニて被押移候得は、御國家難相立段被聞
 召上、御省減筋之儀各別之被為在思召、御入國初て之御参勤ニも候得共、前々之御見合無御拘御供人數も被
 減、來春御参勤よりは安永六年御参府之節通被仰出候、尤公務且御孝養筋之儀ハ御別段、其外之儀は御手許を
 初られ、上々様御分料・御家中手取米・御役料・御心附米銀・諸御役員、然處御家中ハ當時之手取ニてさへ致難
 澁候由、御苦悩ニ被思召上、先今分ニて被閣度、御手許之儀は當年より御減方被仰付との御意ニ付、御家中手取
 米は先今迄之通被下置候、将又事ニ寄安永之比より相減居候稜も有之、左様之事は減なりニ被閣候、依て相増居
 候稜々ニも時宜ニ應し損益被仰付旨被仰出候條、僉議相濟次第且々及達筈ニ候條、此段一統為存申達候間、組支
 配方へも可被達候、以上
   十二月十五日

 七四
  〇文化十酉二月、御發駕前執政衆迄御書
   一統達ニハ不相成候
一省減之儀は安永目當と申付候得共、勿論時節違候事故、右之處得斗参談斟酌を加、可減儀は追々申聞候通候、又
 安永と申候ても纔一年か半年位減方相成居、永く行れす本ニ歸候様成事可有之候、左様之處ハ如在有之間敷候得
 共得斗及参談可減事
一此節他國之品物入込候儀差止メ候事、元ト下之為ニ申付候事ニ候へ共、下ハ辨も無之物故、先指當り不自由相成
 候ニ付少々宛とやかく可申候得共、家老を初奉行其外役々之面々右等之事ニ少も泥マス、一致いたし堅相守候様
 可申談候、此儀不及申何レも其心得可有之候得共、不容易事ニ付為念申候也
   酉二月
  追々咄置候通、前々より有之神事或ハ盆おとり等ハ、相應ニ下々楽候様いたしおくへく候

 七五
一御勝手向之儀、安永之御高ニたに(ママ)合候様有之候ヘハ、其内輪之取扱は臨機應變、一概ニ安永年通ニ相成兼候儀も
 可有之と被思食上候間、追々被遊御意置候儀も有之候得は、御留守等之儀も有之、御引切書之御書之儘被遊御渡
 候段、御意ニて御座候事
   文化十年酉二月廿四日        沢村宇右衛門(8代友輔)奉

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■肥後藩領・七十七関

2017-11-08 07:39:12 | 史料

 先にご紹介した佐賀関の絵図を眺めていたら、遠見山とある。標高172m、まさに360度見渡すことができる所である。
佐賀関番所は肥後藩領77関の上関21ヶ所の中に含まれており、重要な番所であった。上ノ浦・下ノ浦番所があり総じて佐賀関番所と称していたのだろうが、当然遠見番所の機能が最大の勤めであったのだろう。
細川家が熊本に入り、豊後鶴崎や佐賀関等が細川藩領になると、寛永十五年この地に番所が設けられた。熊本から三人の侍が一年交代で常駐した。その下に足軽十人が配置された。

さてこのような関(番所)はどういう所に配置されたのであろうか。
随分以前堀内傳右衛門覚書を読んだとき、傳右衛門が高森峠を越え延岡に向かう途中の国境の関所でいろいろ世話になった場面に遭遇した。       http://blog.goo.ne.jp/shinshindoh/e/741e61d85748ffadd2e6ed582607b4d4
77関のリストを見ると、中関18ヶ所の中の、「阿蘇郡南野尻草ヶ部村・岩神口」であることがわかる。歩之者二人が詰める番所である。

労を惜しまず(少々疲れるが)77関をご紹介しておこう。正確な場所は承知していない。ご存知の方はご示教いただきたい。

   上関(21ヶ所)
    陸口 南関   玉名郡南関       侍一人・足軽六人      参考:南関番所役人 久野次郎左衛門について
                                            肥後南関番所の検閲体制        

       袋口   芦北郡水俣陣内     侍一人・足軽四人
       馬見原  阿蘇郡南郷菅尾大野村  侍一人・歩之者三人
       坂梨    同 坂本村      侍一人・足軽四人
       鶴崎   豊後ノ内        侍一人・足軽三人
       佐賀関   同          侍一人・足軽十人
    海浜 白浜   飽田郡五町河内村    侍一人・足軽三人
       大島   玉名郡荒尾大島     侍一人・足軽三人・町廻二人
       長須(洲)同郡ノ内          同
       清源寺  同郡腹赤        侍一人・足軽三人
       洒浦   同郡ノ内洒村      侍一人・歩之者三人
       高良   宇土郡松山高良     侍一人・足軽三人
       三角   同郡郡浦ノ内        同
       郡浦   同郡網田          同
       日奈久  芦北郡         侍一人・足軽三人・町廻二人
       田浦   同郡ノ内        侍一人・足軽三人
       海浦   佐敷小田浦村ノ内      同
       斗石   同             同
       津奈木  同津奈木村ノ内       同
       水俣   同陣内村        侍一人・足軽三人・陣町廻二人
       袋浦   同芦北水俣       侍一人・足軽三人

   中関(18ヶ所)
    陸口 和仁口  南関和仁口       歩之者二人
       九重口  南関長田村ノ内       同
       岩本口  芦北郡佐敷野瀬村      同
       岩神口  阿蘇郡南野尻草ヶ部村    同
       川地口  同野尻村ノ界        同
       生味口  菊池郡河原         同
       松葉口  玉名郡荒尾         同
    川口 川尻   飽田郡銭塘二町村    歩之者四人
       高橋   同郡池田          同
       近津   同郡五町河内村       同
       小島   同 池田          同
       小川   上益城郡河ノ口     歩之者三人
    浦  瀬戸口  宇土郡郡浦         同
       戸馳    同          歩之者三人・走ノ者三人
       戸口    同          歩之者四人
       下り松  同松山上          同
       植柳   八代高田        歩之者四人
       鏡    八代野津          同

   下関(38ヶ所)
    陸口 境崎   玉名郡         足軽四人
       石坂口  芦北郡         郡筒・足軽二人宛五日交番
       久木野   同          郡筒二人・足軽二人
       須口   芦北郡遠見         同
       矢谷   山鹿郡中村       足軽二人
       茂田井   同            同
       桃田口   同            同
       柏木口   同            同
       星原口   同            同
       中津原口  同            同
       三楠木口  同            同
       伊野口  菊池郡河原         同
       長山口   同            同
       半尺口   同            同
       穴川口   同            同
       鳳来口   同            同
       河野口  南郷菅尾          同
       椛山口   同            同
       水野口  南郷野尻          同
       河原口   同            同
       二田水口 阿蘇郡久住         同
       小池野口  同            同 
       楡木野口  同            同
       久住口  豊後直入郡         同
       山中口   同            同
       宇土口  小国馬場郷         同
       北里口   同七日市郷        同
       湯田口   同馬場郷         同
       中湯田口 小国北里          同
       黒淵口   同            同
       志屋口   同            同
       岳湯口   同            同
       下明里口  同            同
       萩原口   同            同
       杖立口   同            同
       田原口   同            同
       白嵩川口 鶴崎志村ノ内        同

          (以上)

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