八七八
四十九
一此儀、御郡ニより出夫ニて御仕立方被仰付、剪方・蒸方・はぎ夫幷向々え之届方も宿継ニ被仰付候得共、賃
銀も不被渡げ迷惑仕候
但、矢部手永は依願格別被仰付置候ニ付、迷惑仕候儀無御座候
[上ノ付札]「此儀、當時櫨方之仕法御吟味有之候處、下方迷惑之筋は相聞不申由、御郡間より御仕立楮も相應之
賃銭可被渡下候間、其通可及達旨候事」
八七九
五十
一杣方御用之元木見分之事
此儀、杣方御役人・同所御横目・御郡御横目・御山支配役・御惣庄屋立合、御山口幷小頭も差出、數多之人
數泊り等之節村方迷惑仕候、尤元木支有無之書付も銘々取被申事ニて、御惣庄屋扣共ニ五通調出申候、尤元
木之立場次第書付別紙相調申儀ニて、木數も多村數ニ至候ては、右之書付繁多ニ相成、迷惑仕儀ニ御座候間、
書付減し候様被仰付被下度奉存候
[上ノ付札]「此儀、安永二年杣方一巻之御仕方被改候事」
八八〇
五一
一右杣取之節、小頭差出候事
此儀、以前は小頭差出候ニは及不申、杣取相濟來候處、去ル酉之年比より小頭差出候様ニと、杣方御役人中よ
り達御座候ニ付、其以後ヶ所毎に差出申候、御山両所は二手三手同村ニ被入込儀も御座候間、小頭手足不申＜
殊之外迷惑仕候、前々之通被仰付被下度奉存候
[上ノ付札]「右同断」
八八一
五十ニ
一右御材木請負ニて出方之節之事
此儀右同断
[上ノ付札]「右同断」
八八二
五十三
一右同、遠方より御材木川下之節、川筋手永／＼限小頭差出候事
此儀右同断、尤餘計之材木下り候節は數日かヽり、小頭飯米雑事代等失墜相増迷惑仕候
[上ノ付札]「右同断」
八八三
五十四
一右同、御材木出方受負之者宿之事
此儀近年之事ニて、村々ニ宿を取、間ニは飯米・鹽・味噌・薪等も宿主ニ取替させ置、二度寄付不申及迷惑
申候
[上ノ付札]「此儀、當時ニては相止候様子ニ相聞へ候、尤尚又不埒之儀も有之候ハヽ可被相達候事」
八八四
五十三
一右同、御材木出方之節、道筋之石之上車引通候事
此儀、蓋石或は橋石引折候儀度々多御座候、村方之者とも見逢候得は其段申届、受負之者共へ石辨サセ申候
得とも、見逢不申時分は右之通之儀御座候間、迷惑仕候
[上ノ付札]「此儀、私用材木は勿論、御用材木たりとも本紙之通之儀有之節は、受負之者共より急度相濟候様ニ、
五ヶ所町之者共へも御達有之候由、其所々よりは筋筋ニ申出候様ニ、杣方御材木之節は杣方より受
負之者と辨方申付有之候様ニ被及御達置候旨候間、左様被相心得、杣之ものハ不及申、兼て村方え
も不洩様可申付置候事」
