一御發駕被為済候上御小姓頭より案内有之御一門衆初中柱之御間江罷出南側東頭北向ニ座着御用人一人北之御給仕口御衝
立之際ニ控居いつれも之座着を見受罷出候得者御歓謁夫より直ニ御小姓組一人御熨斗出坐順之通致頂戴御熨斗ハ不及取
御三方を戴右之引取懸御一門衆同席中向合恐悦申述候事
御發駕済みれた上御小姓頭より案内が有り、御一門衆初め中柱の御間へ罷出、南側東頭北向に座着、御用人一人北の御給仕口御衝立の際に控居り、
いつれもの座着を見受て罷り出れば御歓謁、夫より直に御小姓組一人御熨斗出し坐順の通り頂戴いたし、御熨斗は取におよばず御三方を戴き右の引
取懸、御一門衆・同席中向合い恐悦申述べる事
但本行御歓ハ上々様まてニ而御隠居様若殿様江者御留守居、大頭同列以上便状勤有之組ニ不入御中小姓以上即日
御家老、御中老廻有之候事
但本行御歓は上々様まてにて、御隠居様・若殿様へは御留守居、大頭同列以上便状にて勤めあり、組に入らぬ御中小姓以上は即日御家老、
御中老廻りが有る事
御歓事等之節御熨斗蚫頂戴ハ御省略中被差止候得共熊本御發駕者格別之御事ニ付此御歓ニ限頂戴有之候事
御歓事等の節、御熨斗蚫頂戴は 御省略中被差止候得共熊本御發駕者格別之御事ニ付此御歓ニ限頂戴有之候事
一夫より御一宿江罷出候同席へ御一門衆同席中三家嫡子御迎之節之通奉得御機嫌候且又大奉行大御目附以下例之面々口之
間ニ而右同断之事
夫より御一宿(大津お茶屋)へ出かけた同席(家老)へ御一門衆・同席中・三家嫡子御迎の節の通り御機嫌うかがいたてまつり、且又大奉行・大御
目附以下例の面々口の間にて右同断の事
御備頭、御留守居大頭者伺御機嫌無之候右者文化十四年御發駕前沼田江承候處如此 但御一宿江御歓状仕出は一切
無之
御備頭、御留守居大頭は御機嫌は無い、これは文化十四年御發駕前沼田(勘解由)へ承りかくのごとくである、 但御一宿へ御歓の状の仕出
は一切ない
一夫より御一宿江罷出候同席ハ御機嫌伺之稜付佐弐役より御用番江差出候を受取早々退出之事
夫より御一宿へ罷出た同席(家老)は御機嫌伺の稜付佐弐役より御用番へ差出したものを受取り早々退出の事
一大御奉行、大御目附を初例之面々詰所へ罷出御用番江御歓謁候事
大御奉行、大御目附を初め例之面々詰所へ罷り出、御用番へ御歓謁の事
一御備頭、御留守居大頭詰間江出方有之候事
御備頭、御留守居大頭は詰間へ出方有る事
但壱里山江出方之両人茂以前ハ詰間へ出方有之候處、近年ハ其儀無之
但壱里山へ出方の両人も以前は詰間へ出方があったが、近年は行われない
一御發駕後御同日御間内見分有之御用番一人ニても左之通
御發駕後の同日、御間内見分が有り御用番一人にても左之通
一前以御用人江懸合置候得者御發駕後御■等を付候上案内有之候事
前以て御用人へ懸合って置けば、御發駕後御■等を付た上案内が有る事
ご厚誼をいただいている東京在住の近世史家で赤穂義士関係を深く探求されておられる佐藤誠氏から「草志会」の同人誌「隣人・第34号」をご恵贈いただいた。厚く御礼を申し上げる。
氏とのお付き合いはずいぶん長いものになったが、会報が出るたびにお贈りいただいている。
今回は伊藤武地編「堀内傳右衛門書簡集」の資料紹介の第一回である。堀内傳右衛門関係文書について詳細な解説を勉強したことがない。ありがたい資料を取り上げていただいた。
また、宮崎氏の「渡辺京二と横川文三」は、熊本人にとっては在熊の渡辺氏の一面を知ることが出来た。
同人並びに会員の皆様の更なるご発展をお祈り申し上げる。