津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

■持座

2021-08-07 11:57:57 | 徒然

ある方から「持座」という言葉についてのご質問を頂戴した。
これは御礼式の座班をみると、上着座持座と書かれている。役職を持つ・持たないにかかわらず、又知行高でもなくその家柄を以て、上着座という座班に座席を持っているという意味であろう。
松野(豊後大友家)・木下(豊臣秀吉室・おねの一族)・津川(管領・津川氏子孫)・三渕(細川幽齋実家)・楯岡(最上氏一族)・下津(下津棒庵子孫、公家・久我氏一族)・氏家(細川興秋・室の一族)・沼田(細川幽齋室・麝香の実家)・小笠原の九家である。
松野氏は枝葉がひろがり、大友宗麟の嫡男・義統の子・右京のながれと、二男・利根川道孝の二つの流れと、三男・半斎の流れの四つの流れがあるが、これは嫡流家の事であろう。
小笠原氏については、ガラシャに殉死した小笠原少斎の子孫である備前家と、忠利の室千代姫の父・小笠原秀政の一族の小笠原多宮家の二家があるが小笠原備前家かと思われる。ちなみに多宮家については比着座の人が何人か見受けられる。

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■解説・有吉家文書「年中行事抜粋」(16)御発駕前日之式

2021-08-07 09:04:07 | 先祖附

(16)御発駕前日之式

一出仕之儀者例刻、尤平服之事末之付紙例之通奉窺御機嫌候事
 出仕のことは例の刻、尤平服の事、末の付紙例の通御機嫌伺い奉る事   

一陽春御間ニて御一門衆同席并大御奉行御目附一同ニて被召出候事
 陽春御間にて御一門衆・同席(家老)并大御奉行・御目附一同にて召出される事 

    但右者御格ニてハ無之候間不被召儀茂有之候尤御目附之儀者御定例程ニ相成居候由之事
    但右は御格では無いので召だされぬこともある、尤御目附は御定例程に成っているとのこと
 御一門衆桐之間茂伺有之候
 御一門衆は桐の間も伺い有ること
一同席中者八ツ時を承中柱之御間江罷出最前之伺之節通座着御用人江謁奉窺御機嫌候事
 同席中(家老)は八つ時中柱の御間へ罷り出、最前の伺の節の通り座着、御用人へ謁、御機嫌うかがう事
    一統ハ麻上下席中ハ平服之例
    一統は麻裃、席中は平服の例
一今日不参之同席より之使者八時差出候間於口之間御用番江謁候事隠密之使者ハ御小姓頭受之究也
 但例之通申上之書付差上候事
 今日不参の同席(家老)よりの使者、八時差出し口之間御用番へ謁の事、隠密の使者は御小姓頭受け究める
 但例の通り申上の書付差上げる事     

口之印之付紙
 △御備頭三人并御留守居大頭より差上置候陣行営等入候箱御下ニ相成候付相改御封印ニ付御印ハ致返上不被遊御覧封印
  之侭有之候得ハ致開封機密間江下置端午之前寄合之節相渡候
   天保十年二月八日大木御用番之節木村次郎右衛門御用人大木宅江持参有之翌日御發駕前持参之旨記録有之候事
 △御備頭三人并御留守居大頭より差上置たる陣行営等入ったる箱御下げに成るに付これを改め、御封印に付御印は返上遊ばされず御覧、封印の侭で
  有るので開封いたし機密間へ下し置き、端午の前寄合の節相渡すこと

   天保十年二月八日大木(舎人か)御用番の節、木村次郎右衛門御用人大木宅へ持参有り、翌日御發駕前持参の旨記録に有る事

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