先週火曜日の朝刊に載った「いろいろあって道頓堀」という記事は面白かった。執筆者は地元大学の准教授で哲学・思想史が専門とあった。内容は阪神タイガースの優勝に絡む、道頓堀へのファンの飛び込みをめぐる今年の騒動?についてである。TVニュースで観た記憶がなく今頃知ったわけだが、確かに笑える話だ。
危険行為と呼びかけられていたことは知っていた。今年は優勝の可能性が強くなった頃に大阪府知事も要請していたらしい。当日の警察の大量動員による厳重警戒も含めて、著者はそれらを「権力っぷり」と表現した。なかなか言い得て妙である。20世紀にはデモ規制などそれを感じることが多かったが、最近は稀だ。
もちろん見た目だけではない。しかし今ネットでその様子を見ていると、やはりナンダカナアと思ってしまう。さらに著者が問題にしているのは、「真のファン」「偽のファン」論争である。どのようにして喜びを表現するかに関して言い合っているファンを俯瞰的に観て、「国家や資本」の手に嵌る危うさも指摘している。
オチがまたいい。「最後にひとつ、どうしても看過できない」こととして、大阪府警をやり玉に挙げた。「止めにきた強面の警察官が、いろいろあってなぜか道頓堀に飛び込む」ことを「様式美」ではないかと言う。つまり「お前が飛び込むんかい!!」がない結末(あるわけないか)を反省してもらいたいと述べる。お見事だ。
今や死語になりつつある「反骨」。右とか左とかは関係なく、自分の考えや思いを貫くことが困難になっている。はみ出しについて社会や周囲の許容度がぐんと落ちてしまい、相互監視のような状況に陥っているかもしれない。まずはユーモアか。自虐ネタで笑い飛ばすその目を、しっかり周囲へ、外へ向けてみたい。
危険行為と呼びかけられていたことは知っていた。今年は優勝の可能性が強くなった頃に大阪府知事も要請していたらしい。当日の警察の大量動員による厳重警戒も含めて、著者はそれらを「権力っぷり」と表現した。なかなか言い得て妙である。20世紀にはデモ規制などそれを感じることが多かったが、最近は稀だ。
もちろん見た目だけではない。しかし今ネットでその様子を見ていると、やはりナンダカナアと思ってしまう。さらに著者が問題にしているのは、「真のファン」「偽のファン」論争である。どのようにして喜びを表現するかに関して言い合っているファンを俯瞰的に観て、「国家や資本」の手に嵌る危うさも指摘している。
オチがまたいい。「最後にひとつ、どうしても看過できない」こととして、大阪府警をやり玉に挙げた。「止めにきた強面の警察官が、いろいろあってなぜか道頓堀に飛び込む」ことを「様式美」ではないかと言う。つまり「お前が飛び込むんかい!!」がない結末(あるわけないか)を反省してもらいたいと述べる。お見事だ。
今や死語になりつつある「反骨」。右とか左とかは関係なく、自分の考えや思いを貫くことが困難になっている。はみ出しについて社会や周囲の許容度がぐんと落ちてしまい、相互監視のような状況に陥っているかもしれない。まずはユーモアか。自虐ネタで笑い飛ばすその目を、しっかり周囲へ、外へ向けてみたい。
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