サブタイトルは「公営ギャンブル行脚の文化史」。タイトルはもちろん山口百恵の歌った(作詞作曲は谷村新司)「いい日旅立ち」のもじり。
旅打ちとは何か。文字通り「旅」に出て「打つ」ことだ。飲む打つ買うの打つすなわちギャンブルである。その中でも合法的な公営ギャンブルを対象としている。ギャンブルに興味はないのだが、過去に旅先で「青春18きっぷを使って地方競馬をハシゴした」と言う人に会ったことがありそれを思い出したのと、「旅先で打つ」のでなく「打つために旅に出る」と言うあたりに自分の行動と共通点を感じ読んでみた。
公営ギャンブルの成り立ちと、それに伴う「観戦(参戦)ツアー」の興りとが時代背景とともに整理されており興味深い。きちんと数字(場数)の年代別遷移も示されており、ここの部分だけ読めば公営ギャンブルの成り立ちの概略を掴むことができる。
「旅打ち」についてはそもそもの発生から公営ギャンブル大衆化への過程における衰退、そして現代での愉しみ方について詳説、訪れるための動機(切り口)について細々と解説しているのが面白い。まずは競技の種類(競輪・競馬・競艇・オート)、それに地域地方、或いは競技場のテイスト(レトロかモダンか)、競技場のみか、周辺観光地も含む地域的な魅力を勘案するか、等々。その上で各セグメントにおける「おすすめ競技場」を挙げている。
例えばこれを鉄道趣味に挿げ替えてもそっくり同じように考えられるではないか。車両や駅舎、駅弁、そして乗車後の見どころ湯どころ食べどころ、等々。「周辺の観光地はどうでも良いからレトロなディーゼルカーに乗りたい」「最新鋭の電車に乗って、降りたら海の幸ゆたかな温泉地でのんびりしたい」本質的に何も変わらない。あぁ、だからこの本はギャンブルを知らなくてもスイスイ読み進められるのか。「旅と鉄道」派が無意識にやっていることを公営ギャンブルに置き換え体系化した、ニッチ作品なのだな。あー面白かった!
ちなみにこの本、何故か図書館の蔵書にあるくせに通常の貸し出しができない。どんな稀覯本なんだ。故に古本を入手し、読後は寄贈した。2冊あれば1冊は貸し出しに回せるでしょう。
2015年3月28日 八幡浜のホテルにて読了
旅打ちとは何か。文字通り「旅」に出て「打つ」ことだ。飲む打つ買うの打つすなわちギャンブルである。その中でも合法的な公営ギャンブルを対象としている。ギャンブルに興味はないのだが、過去に旅先で「青春18きっぷを使って地方競馬をハシゴした」と言う人に会ったことがありそれを思い出したのと、「旅先で打つ」のでなく「打つために旅に出る」と言うあたりに自分の行動と共通点を感じ読んでみた。
公営ギャンブルの成り立ちと、それに伴う「観戦(参戦)ツアー」の興りとが時代背景とともに整理されており興味深い。きちんと数字(場数)の年代別遷移も示されており、ここの部分だけ読めば公営ギャンブルの成り立ちの概略を掴むことができる。
「旅打ち」についてはそもそもの発生から公営ギャンブル大衆化への過程における衰退、そして現代での愉しみ方について詳説、訪れるための動機(切り口)について細々と解説しているのが面白い。まずは競技の種類(競輪・競馬・競艇・オート)、それに地域地方、或いは競技場のテイスト(レトロかモダンか)、競技場のみか、周辺観光地も含む地域的な魅力を勘案するか、等々。その上で各セグメントにおける「おすすめ競技場」を挙げている。
例えばこれを鉄道趣味に挿げ替えてもそっくり同じように考えられるではないか。車両や駅舎、駅弁、そして乗車後の見どころ湯どころ食べどころ、等々。「周辺の観光地はどうでも良いからレトロなディーゼルカーに乗りたい」「最新鋭の電車に乗って、降りたら海の幸ゆたかな温泉地でのんびりしたい」本質的に何も変わらない。あぁ、だからこの本はギャンブルを知らなくてもスイスイ読み進められるのか。「旅と鉄道」派が無意識にやっていることを公営ギャンブルに置き換え体系化した、ニッチ作品なのだな。あー面白かった!
ちなみにこの本、何故か図書館の蔵書にあるくせに通常の貸し出しができない。どんな稀覯本なんだ。故に古本を入手し、読後は寄贈した。2冊あれば1冊は貸し出しに回せるでしょう。
2015年3月28日 八幡浜のホテルにて読了